「LINE教えて」おじさんライダーの迷惑行為は恐怖レベル 取り囲んでうんちくマウント 「心の中で泣いた」ホンダGB250乗りの女性
女性ライダーに無遠慮に話しかけてマウントを取る迷惑な男性ライダーたちが後を絶ちません。
バイク歴約10年の20代女性「つぐみ」さんも先日、ある道の駅で中高年ライダー4人に取り囲まれる被害にあいました。つぐみさんの愛車であるホンダGB250は亡くなった父親の形見。それを知らないライダーたちは「何でGBに乗ってる?」「初心者だろ」「バイクというのは…」「250ccはしょせん…」などとうんちくを語り始め、挙げ句には「LINE教えて」と連絡先を聞き出そうとする始末。
つぐみさんはこの出来事を自身のSNSに投稿すると、バイク仲間などからは、「災難でしたね」「何ccでも楽しいですよね」「せっかくのツーリングなのに」などと同情の声が寄せられました。
■マウントを取ってくるのは「60代前後の男性ばかり」
つぐみさんに話を聞きました。
──複数人で質問攻めを。
「今回は4人でしたが、多いときだと6~7人に取り囲まれたこともありました。道の駅やサービスエリアなどではバイク用の駐車場が限定されていて、駐車して休憩しているうちにまわりを他のバイクに囲まれてしまうことがあるんです。そうなると今回のように、話しかけられてもすぐに脱出できなくなってしまうんです」
──排気量でマウントを取ってくるライダーも。
「私の約10年のバイク歴では数回あります。それが多いのか少ないのかは私にはわかりません。たたそんな発言をされた方は、大排気量のバイクに乗った60代前後の男性ばかりでした。今回もそうです」
──迷惑な中高年ライダーが多い理由をどう考える。
「臆測ではありますが、定年を迎えたり、経済的に余裕ができたりして、自分の趣味に没頭できるようになったから大型バイクに乗るようになったのかなと思っています。若い頃の憧れが実現して気持ちが大きくなり、間違った優越感を感じているのではないかと。そして自分の家族はバイクに興味がなく相手にされないから、ツーリング先で見かけた小娘(笑)に自慢したかったのでは。ただ私のフォロワーさんの中には娘さんとタンデムツーリングを楽しんでいらっしゃる方もおられますから、結局はその人の人間力だと思います」
──迷惑なライダーに伝えたいことは。
「大型バイクに乗ることは確かにすごいです。そのためにいろいろな苦労もされたと思います。でも年長らしい優しさ、余裕、そして品格を身につけてほしいです。また、一人の女性を複数で取り囲むのはどんな理由があってもNGです。恐怖しか感じません。今回は私もニコニコしながら心の中では泣いていました。単独女性ライダーは一人がいいからそうしてるんです。誰かに声をかけられたいわけじゃないんです。あいさつ程度で、出来ればそっとしておいてください」
──愛車と向き合う時間はどう過ごしたいか。
「私のGB250は、私が中学生のときに仕事中の事故で亡くなった父が遺したバイクです。高1で二輪免許を取得してしばらく新車のバイクに乗っていましたが、大学生のときに父の知り合いのバイク仲間の方を通じて、整備してもらい、乗り続けています。一度はエンジンが故障しましたが、オークションで他のエンジンを見つけて載せ替えし、乗り続けているくらい大切な相棒です。そんな愛車と過ごすときは、父と共に走っているように感じています。『まだまだヘタクソだなあ』と父に笑われてるみたいで。だから、愛車と向き合う時間は、誰にも邪魔されたくない、亡き父と向き合える唯一の時間だと感じています」
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ライダーに限らず、教えたがったり、知識をひけらかしたりする人たちは多いようで、SNS上には「寺院にもいた」「ゴルフ場でもありますね」「ジムにもいます」「将棋サロンにも」といった体験談が多数あります。あるボウリング場では「STOP!教え魔」という警告ポスターが張り出された例も。相手に求められているかどうか、冷静に判断できる大人でありたいですね。
(まいどなニュース・金井 かおる)