上司から「契約書を全部袋とじにしといて」→雅な契約書が爆誕「スゴイ技!」「カッコいい」
「契約書を全部袋とじにしといて」と会社の上司に言われたえな鳥さん(@wani_kawaiinono)。想定外の「袋とじ」に、5万を超えるいいねがつき話題となりました。「国文学科で数々の袋綴じ和書を見てきた」というえな鳥さんならではのスゴ技でつくられた「袋とじ」に驚きと称賛が声が集まりました。
「江戸時代ぽくて和綴じってかっこいいですよね」
「割印が押せない。でも美しい」
「スゴイ技!カッコいいわ!」
「自分も国文学科だし和綴の本は多く見てきたけれど、実際にやろうと思って自分で綴じられるのはすごい」
えな鳥さんが契約書を綴じた方法は、紙を二つ折りにして何枚も重ね、紙の束に小さい穴をあけて、糸で綴じていく日本の伝統的な製本「袋とじ=和綴じ」だったのです。
■「袋とじ」は、使われるシーンによって綴じ方はさまざま…?!
えな鳥さんはX(旧Twitter)で「ビジネス用語の『袋とじ』は、なんか全然意味が違うらしくて、上司がキャーって悲鳴あげてて面白い」と続けました。えな鳥さんの会社ではちょっとしたハプニングになったそう。
「①紙は2つ折りにしない。袋にはしない。印刷時は普通の両面印刷でそのまま重ねる、②ホッチキスをテクニカルに5箇所とめる、③細長い紙をおもしろい形に切って3つ折りにして貼り付ける(たぶんここが袋に見えるので袋とじと呼ぶのかも)が正解らしい。トラップすぎる」……と、えな鳥さんの投稿はさらに続きます。
この契約書の「袋とじ」の指示は、馴染みのない人たちにとっては特殊な仕様で、
「袋とじと言われると、切らないと中身が見えない製本だと思うよね(男子限定)」
「同じ言葉でも業界によって意味が異なったりするから、要確認ですな!!」
「えな鳥さんの袋綴じもビックリですが、『袋に入れて閉じた』新人がいたのを思い出しました。多分一番手間の掛からない袋綴じ(笑)」
「金銭消費貸借契約書をラミネートした後輩を思い出しました」
など、実際に間違いを経験した人の意見まで多数集まりました。
投稿したえな鳥さんに、お話を聞きました。
■「おもしろ袋とじ契約書」は、こうやって生まれた!
ーーえな鳥さんは国文学科出身、ということですよね。現在のお仕事には和綴じは……?
「はい、現在は仕事で和綴じの資料を見ることはありません。大学は国文学科で、和綴じは大学の授業で習いましたが、特に制作に慣れているわけではありません」
ーーなぜ、今回和綴じにしようと思ったんですか?
「Wordで作られた数十枚程度のもの契約書を渡され、『袋とじにして』と上司に言われました。最初Wikipediaで袋とじを検索したら、ツイートの画像のものが出てきたので、『あ、これか!見たことある!』と思ったので、紐などを探したのですが見当たらず。『いや、ホッチキスでいいよ』と上司に言われて、頭の中は???状態になったんですが……。新入社員なので自分がよくわかっていないだけかな?と思い、なんとかしようとして、この和綴じの袋とじが出来上がってしまったという経緯です」
ーーああ、なるほど! 袋とじを検索した結果なのですね。確かに国文学科なら、契約書のフォーマットとしてビジネスで使われてる「袋とじ」より「和綴じ」のほうが見覚えのある仕様かも。この後、やり直したのですか?
「はい、やり直しました。ビジネスでの袋とじのやり方を上司に教えてもらい、一緒に作ってもらいました。失敗したやつは人に見せるのが恥ずかしくて、机の奥底に隠しています」
「和綴じ本の方が、風流で素敵ですけどね。どちらにしても、近いうちに全て電子保存になりそうですが」という声もあるように、間違いとはいえ美しい和綴じ。いろいろな文書は今後電子保存になっていくのでしょうが、こういう技術も、今後残っていってほしいですね。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・東寺 月子)