大きい犬さんへ…散歩中、小型犬が「大きい犬を避ける」理由とは? 葛藤する飼い主の決断に励ましの声

人間にもいろんな性格や事情があるように、誰にでも友好的な犬もいれば、知らない人や他の犬が苦手な犬もいます。また、病気や怪我、過去に虐待などの経験を持つ保護犬など、散歩の際に配慮が必要な事情を持つ犬もいます。

2歳になるビション・フリーゼ×トイプードルのミックス犬、ビションプーの男の子、ポテチくん。ぬいぐるみみたいに可愛く、おっとりしたわんちゃんに見えるポテチくんですが、飼い主であるポテチやで(@potechi_yade)さんによると、成犬になった1歳頃から警戒心が強くなり始めたそうです。

そんなポテチくんのお散歩中の行動について、飼い主さんがX(旧:Twitter)に投稿した一連のポストが話題になりました。

■大きい犬さんへ

「大きい犬さんへ……お散歩中に少し避けてしまうことがあり、モヤモヤさせてしまっていたらごめんなさい。人間の未熟さゆえですが、うちの犬が絶賛散歩練習中のため、まだ難しそうな場面では、心の中で『大きい犬さん大好き~!』と叫びながら落ち着ける距離を取らせて頂いています」

「おっとりに見られるポテチですが、怖かったり自信がない場面では、ガウガウしてしまうことがあります。パピー期から(犬の)幼稚園の力も借りて社会化練習はしてきましたが、人間側も修行不足だったため、この夏から学校にも通い始めました!」

「ただ、ポテチはスーパー天才ゴッド犬なので、今はお散歩中のアイコンタクトも覚えてくれて、以前よりは他の犬さんと出会っても落ち着けることが増えました!まだまだ練習は続けますが、2歳でこの成長は伸び代しかない!やはり神童!」

■お散歩練習、頑張って!

犬のしつけは、子犬の社会期と言われる「生後6ヶ月頃」までに始めることが推奨されています。しかし、ポテチくんはすでに2歳。それでも、問題行動が大きくなる前に、飼い主さんは愛犬と共にプロの指導を受けることを決意。コメント欄には励ましの声が寄せられました。

「優しい文章とかしこいわんちゃんで世界平和が起きた」

「うちは中型犬ですが、小さなチワワちゃんやポメちゃんなんかが怖がっちゃうのは仕方ないので慣れてますよ。たまに『私は大きい子大好きなんだけど…』などと言いながら遠ざける方もいらっしゃいますが、嫌な気分にはならないです」

「うちの犬は自分より小さなわんこでも嫌がってました(笑)。お散歩練習頑張れ」

多くの温かい声に、「すみません~と言って少し離れるのですが、大きい子が大好きな気持ちを伝えられず悔しい限りです」と、つぶやいていたポテチくんの飼い主さん。楽しく安全にお散歩するため頑張るポテチくんについてお話を聞きました。

■「飼い主に意識をむける」アイコンタクトを練習中

ーー以前からポテチくんは犬の社会化を学ぶ「犬の幼稚園」に通っているそうですね。

「はい。幼稚園は子犬の頃から通っているのですが、この夏から飼い主も一緒にトレーニング出来るタイプの教室に通い始めました。というのも、1歳頃から他犬に対する興奮が気になっていて、2歳になってそれが強くなってきたと感じたため、プロに相談することにしました」

ーー具体的にどんな場面で興奮を…?

「自分より体の大きな子や元気な子が苦手なようで…。ポテチは小型犬なので、大きな犬さんたちのようにしつけが完璧じゃなくても普通に生活が出来てしまうため、これまではガウってしまう場面もなんとかなだめてやり過ごしていました…」

■犬も性格はそれぞれ 

ーー「犬の幼稚園」とはどんな点が違いますか?

「複数の犬同士で一緒に過ごす幼稚園と違い、個別レッスンになります。基本的に他の通ってる子たちと触れ合うことはなく、先生と飼い主、ポテチでの練習です。練習の過程でトレーニング済みの子たちと関わることはあります」

ーートレーニングの成果は?

「トレーニングは月に1度程度で、実はまだ2回しか行ってないのですが、今はお散歩中のポテチとアイコンタクトを取り、『飼い主に意識を向ける練習』をしています。教室で教えてもらったように、他の犬とすれ違う時など、刺激がある状況でも飼い主とアイコンタクトを取れるように練習中なのですが、少しずつ出来るようになっています」

ーー今後の目標は…?

「誰とでも仲良くフレンドリーに……というのはポテチの性格上、難しいと思うので、最終的にはどんな子とすれ違っても落ち着いて通り過ぎることが出来たり、犬を連れている人間同士が普通に挨拶を交わせるようになりたいです。最初から上手く出来る子たちの飼い主さんにはきっと、当たり前のことと思われるかもしれませんが……」

■「あいつまだ修行中なんだな~」

ーー飼い主さんは大きい犬もお好きなのですか?

「私は実家でかなり大きめのコーギーと暮らしていたこともあり、もともと大きい犬は大好きなんです。その実家のコーギーが仏みたいな犬だったので、ポテチと暮らすまでは、犬はみんな穏やかで社交的で、犬同士はみんな仲良しだと漠然と思っていました。なので昔の私なら、自分の愛犬が散歩中に避けられたら、『え…?』と思ってしまっていたかもしれません……。

大きな犬さんたちはしつけがしっかり入ってるな、と思う場面が多く、日々尊敬しかありません。憧れです!ほんとはご挨拶して、近づいて、もふもふしたいところなのですが、もし愛犬から離れていく犬を見かけたら、『あいつまだ修行中なんだな~』ぐらいに思って頂けたら嬉しいです」

◇ ◇

■実は課題があるのは「人間側」

もう2歳だから、小型犬だから、と諦めず、もっと楽しくお散歩出来るようにトレーニングを始めた、ポテチくんと飼い主さん。

トレーニングを通して犬が学んだことも、人間側が的確に指示出来ないと意味がありません。ポテチくんの飼い主さんはそのことに気づき、しっかりと向き合うことを決断しました。

「ポテチは犬の幼稚園では他犬と問題なく過ごしていますので、お恥ずかしい話ですが、お散歩中の問題行動については、完全に私たち人間側に課題があると思っています……。むしろ2歳になっても練習に付き合ってくれるポテチに感謝です。

私たち夫婦はただの素人なので、偉そうに語れる立場ではないのですが、ポテチは見た目に反して武士みたいなところがある犬なので(笑)、いろんな性格の犬がいるんだな~ということを、頭の片隅に入れておいて頂けたらありがたいです」(ポテチやで さん)

吠えやリードの引っ張りなど、犬の問題行動の大半は、人間にとって不都合なことであり、犬にとってはごく自然な行動なのだそうです。だからこそ、人間社会の中で安心して暮らすために、力が強い大型犬や中型犬のオーナーさんはもちろん、小型犬の飼い主さんたちも、しつけの基本や散歩のルールなどを学ぶ必要があります。

犬はみんな賢くて心優しい動物です。大きい犬さんも小さい犬さんも、社交的なわんちゃんもサムライ気質なわんちゃんも、みんな楽しく安全にお散歩できるといいですね。

(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)

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