ケージの中で寄り添っていたきょうだいの子猫 常に見つめ合い…「離れ離れにはできない」病気を持ちながらもずっと一緒に

■離れ離れにはできない

ちまきちゃん(2歳2ヶ月・メス)とおかゆくん(2歳2ヶ月・オス)は、保健所に収容されていた。保護団体に他の子猫1匹と一緒に引き出され、里親を募集したという。

福島県在住のIさんは、以前から猫との生活に憧れ、当時住んでいたアパートの大家さんとの折合いがついたため本格的に飼おうと思い猫を探した。譲渡サイトで1匹の子猫を見つけたが、その子は既に里親が決まっていたため、2021年9月上旬、ちまきちゃんに会うために保護猫カフェlove.labを訪れた。

「そこで小さな”ちまき”と”おかゆ”がケージの中で寄り添っている姿を見て、『離れ離れになんてできるわけない!』と思い、保護猫カフェlove.labの理事長、副理事長から助言をいただき、2匹一緒に迎えしました」

■楽しく暮らせる環境づくりが下僕の使命

9月15日、家に迎えてからも2匹は常に寄り添い、ごはんを食べながら美味しさを分かち合うように時々見つめ合っていた。Iさんは、その時の様子は今でも強く印象に残っているという。2匹は兄妹か姉弟らしいので、個性的で共通点のある名前にしたいと思い、中華ちまきの竹皮に似ているキジトラを”ちまきちゃん”、白いふわふわの胸毛のキジ白を”おかゆくん”と名付けた。

ちまきちゃんもおかゆくんもツンデレだが、相当なヤキモチ焼き。お互いに気付かれないように甘えてくるが、すぐにバレる。

「寝る時には、私にそれぞれ片腕ずつ腕枕を要求して、『両手に花』ならぬ『両腕に猫』状態の時もありました。飼い主冥利に尽きますが、翌朝体はバキバキです」

野良猫の苛烈な生活環境や保護猫団体の運営の厳しさを改めて知り、「癒やしをもらっている分、保護猫達の為に役に立てることはないか」と意識するようになったというIさん。

「ちまきはウールサッキング、おかゆは猫エイズキャリアと、それぞれ病を抱えているため、体調の些細な変化に注意し、ストレスフリーに過ごせる環境づくりを飼い主(下僕)として心がけています」

(まいどなニュース特約・渡辺 陽)

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