先生「意味が分かんないです」…シンセサイザーを設計してしまった中学1年生が話題に
シンセサイザーを設計してしまった中学生がSNS上で大きな注目を集めている。
「田舎のしがないリトミック教室なんですが、中1生徒が勝手にシンセを設計し始めてて、意味が分かんないです。」
と件の中学生を紹介したのは"子どものための教育活動家"で音楽教室ミューレ主宰の坪井佳織さん(@nerio_mulee)。
緻密に書き込まれた設計図…これを若干中学1年生の生徒が作ってしまったとは恐れ入る。坪井さんの投稿に対し、SNSユーザー達からは
「発振器と、デジタルディレイ等の組み合わせでシンセですか、面白いですね(^^)」
「将来が楽しみですね。私も50年近く前、中学生の時にアナログシンセを作ろうとして電源でこけた口です。」
「さすが、RやYのおひざもと 私もそういうのに小5からはまりました 結果、そういう会社に就職しましたしあたたかく見守ってあげてください」
など数々の驚きの声、称賛の声が寄せられている。
■投稿者さんに聞いた
坪井さんに話を聞いた。
ーーこの生徒は。
坪井:2歳からリトミックを習っている男の子で、生き物、電子工作、電気製品の分解、機材、エアロフォン(電子管楽器)に興味を持っています。自他共に認めるオタクでとても優しい子です。
ーー才能を感じさせますね。
坪井:元々、電気製品の分解から電子工作に興味を持ち、小6の時にはクラウドファンディングで資金を集め、子どもたちを募って電子工作講座を開催しました。私は友人であるローランドのエンジニアと繋いで、アドバイスを受けるお手伝いをしました。また、ダヴィンチ・キッズ・プロジェクトという、国の理系人材育成プログラムに参加してはどうかと提案し、推薦状を書きました。
私が提案することに対し本人はたいへん興味を示しましたが、その情熱に対し、毎週のようにパーツ屋さんに行ってあげたり、音楽教室ミューレに週に何度も送迎したり、それでいて口出し手出しはせず、ご両親がとても素晴らしい対応でした。
ーー今回、シンセを設計していると知って。
坪井:ローランドのエンジニアたちが教室に来る機会がありました。(※浜松市の音楽イベント「やらまいかミュージックフェスティバル」に出演するためのリハーサル。エンジニアたちはバンドのメンバー)その時、この子が「教えて欲しいことがあるから、時間があったら残って欲しい」と頼んでいました。その時点では私は何をするのか知りませんでした。そしたら写真のすごい設計図を出して、何を言っているのかさっぱりわからない会話が始まったので、驚いて写真を撮りました。
ーーいつのまにかすごいレベルに到達していたんですね。
坪井:小6の頃作っていた回路はとてもシンプルだったので、今ここまで壮大なものを描いているということは全然知りませんでした。ダヴィンチ・キッズ・プロジェクトでオシロスコープという機材を静岡大学で購入してもらったりして、応援してもらっているようです。
ーー投稿への反響について。
坪井:この子は、ずっと自分の興味のあることに楽しそうに熱中してきました。私は情報と環境を提供し、ご両親はひたすらサポートし続けていらっしゃいました。なので有名になるのも時間の問題だなと思っていたので、驚きよりも「やっぱり」という感想でした。今は何より、本人や教室の友だちが大喜びしていて、その姿を見ているのが楽しくて仕方ないです。
◇ ◇
この才能が今後どのような形で花開くのか楽しみだ。
現在、音楽教室ミューレでは話題の中学生が最初に学んだ親子リトミック「おさんぽリトミック」と、歌を通したインクルーシブ教育「ミューレ・パフォーマンス・クワイヤ」のコースで生徒を募集中。ご興味ある方はぜひホームページをご覧いただきたい。
また坪井さん自身も11月20日にみらいパブリッシングからこれまでの20年の教育経験から得た知見を解説した本を出版予定。今後の情報発信を待ちたい。
音楽教室ミューレ関連情報
所在地:静岡県浜松市北区根洗町428-1
(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)