商業施設の工事現場 現れたキジシロは人懐こいオス猫 心ある人たちが連携 優しい飼い主が見つかった
埼玉県のある商業施設の駐車場に、キジシロのオス猫が現れました。のちにそらくんと名付けられたこの猫は推定2歳ほど。野良猫なのか、迷い猫なのかはわかりませんでしたが、とても人に慣れていて誰にでもついて行ってしまいます。
去勢手術はされている様子ですが、耳カットがされていないところを見ると、どうやら地域猫ではない様子。このため、意図的に捨てられた猫である可能性が高いと考えられました。
■工事が始まる駐車場付近で、ひとり彷徨っていた
商業施設の駐車場付近では、工事が始まっていました。人馴れしているそらくんは、甘えたくて工事現場の作業員にも積極的に近づいていきました。しかし、工事現場に猫がウロウロしているのはどうにも危険です。心配した心ある人が隣接市の保護ボランティアに相談し、そらくんを保護することになりました。
■人から嫌がらせを受け姿を見せなくなっていた
工事現場付近では猫嫌いの人から嫌がらせを受けることもあったというそらくん。ボランティアが駆けつけましたが、そらくんは人を警戒するようになり、姿を見せなくなっていました。しかし、このまま諦めて帰るわけにはいきません。「必ず戻ってくるはずだ」と工事の作業員の方に捕獲器の使い方を伝え、数日後ようやくそらくんを保護することができました。
保護当初はお腹をくだしていたそらくんでしたが、動物病院に連れていき検査をしてもらうと、感染症などの健康上の問題が一切ないことがわかりました。そらくんは、保護ボランティアと懇意の東京・港区周辺で活動する保護猫ボランティア団体・みなとねこに里親探しのために預けられることになりました。
■心ある人たちの連携で見事幸せを掴むことに
みなとねこの預かりボランティアさんの家に預けられたそらくん。
1匹で長く生活していた猫は、他の猫たちとの同居が難しいケースもままありますが、そらくんは人間だけでなく他の猫にもフレンドリー。元気いっぱいで猫じゃらしといったオモチャで遊ぶ様子も見せてくれ、その性格の良さがうかがえました。
みなとねこで月に一度のペースで開催する里親探しの譲渡会でも、人も猫も大好きなそらくんの性格の良さが訪れた人たちにも伝わったようで、「そらくんを迎え入れたい」という里親希望者さんが現れました。
そらくんはこの方の家で一定期間のトライアルを行った後、正式にこの家で過ごすことが決定しました。ひとりぼっちで彷徨っていたそらくんですが、多くの心ある人たちの連携のもと、見事幸せをつかむことができました。
甘えん坊で人懐っこいそらくん、これからはずっと安心して幸せな日々を送れることでしょう。
※現在みなとねこでは特定の協力団体以外からの保護依頼などは受け付けておりません。
みなとねこ
https://www.minatoneco.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)