夏生まれの麦わら子猫 頑張って人なれトレーニング続けたよ 1年後の優しい家族に出会えた
2022年夏、山口県岩国市にある岩国健康福祉センター(保健所)に、メスの子猫が収容されました。飼い主のいない猫として外で産まれ捕獲器で捕まえられ収容されたようでした。
山口県の定める収容期間は原則1週間。場合により多少の猶予は認められますが、引き取り手が現れない場合は、殺処分の対象となりえます。地元の保護ボランティアさんがこの子猫の引き出しを行うことにし、子猫をひまひまと名付けました。
■離乳したひまひまの人馴れには時間がかかるだろう
ひまひまは子猫にもかかわらず、初めて見る人間に強い警戒心を抱き、近づこうとすれば「こっちに来るな!」とばかりに「シャーッ!」と威嚇してきました。人馴れには相当な時間がかかるだろうと、保護ボランティアさんは覚悟。先住猫がいる自宅へと連れて帰り、まずは根気強くひまひまの世話をすることにしました。
■他の猫ちゃんとはすぐに馴染んだひまひま
ふんわりと淡いキジトラに、シマ模様が入る「麦わら」と呼ばれる猫種のひまひま。人間に対する警戒心が極めて強い一方、保護ボランティアさんの自宅にいる先住猫とのトラブルはありませんでした。
そうした社会性は、外で生活していたころのきょうだい猫や他の猫たちとのコミュニケーションによって培われたものかもしれません。さらに気を許すようになると、同世代のまだ幼い子猫たちと一緒に部屋中を走りまわるようになり、そして他の子猫たちと寄り添い合いながら眠るようにもなりました。
■成長したひまひまの里親募集をスタート
外で生活していたころからの経験からでしょうか、ひまひまは食べ物に対する執着心が強く、おかげで手からチュールを舐めるようにななりました。ちゅーるを食べてるときは人が触っても怒らなくなり、撫でられる気持ち良さに少しずつ目覚めてくれました。
やがて人間のそばでもリラックスして過ごすようにもなったことから、東京・港区周辺で活動する行う懇意の保護猫ボランティア団体・みなとねこと連携して、ひまひまの里親募集を始めました。
■これからの夏は穏やかに過ごせそう
東京に移動することになったひまひまは、みなとの預かりボランティアさん宅に移動し、譲渡会にも参加することになりました。そして、ひまひまの「猫らしい」かわいさに心を奪われた優しい里親希望者さんが現れ、見事を幸せをつかむことができました。
夏に生まれ、1年後の夏に幸せをつかんだひまひま。これからは優しい里親さんのもとで、ずっと穏やかな夏を過ごすことになるでしょう。
※現在みなとねこでは特定の協力団体以外からの保護依頼などは受け付けておりません。
みなとねこ
https://www.minatoneco.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)