「モラハラ被害者」になりやすい人の特徴7つ…自覚のある人は気をつけて!【離婚カウンセラーからのアドバイス】

女性の中にはモラハラ被害者になりやすい人がいるようです。男性からモラハラされやすい女性にはどのような特徴があるのでしょうか。被害者の共通点について離婚カウンセラーが解説します。夫や彼氏のモラハラからようやく逃げることができたのに、再び被害者になってしまうというケースもあるようですので、困ったときの効果的な対処法についても解説します。

■モラハラ被害者の共通点は?

モラハラとは「モラルハラスメント」のことで、道徳や倫理に反したいやがらせで相手に精神的苦痛を与えることです。精神的なDVともいわれます。DVとは違い、肉体的な暴力を振るうわけではないので周囲は気づきにくく、加害者も被害者もモラハラだと認識していないケースも多く見られます。モラハラ被害者にはどのような共通点があるのでしょうか。

▽自信を失って自発的に行動できなくなる

長期にわたってモラハラのターゲットにされ続けると、被害者はどのようになるのでしょうか。多くの場合、加害者は相手の失敗や間違いを激しく責め、自分の思い通りに行動するよう要求します。このため、被害者はしだいに自信を失い、自発的に自分で考えて行動できなくなっていきます。

モラハラ被害者によく見られる主な特徴を挙げます。

   ◇   ◇

・自分に対する自信を失う

・思ったことを口に出せなくなる

・相手の顔色をうかがうようになる

・無気力になる

・心の病気になってしまう

   ◇   ◇

加害者は激しい叱責や冷笑、無視といった言動で被害者を精神的に追い詰め、自分に従わざるを得ない状況を作り出すのが特徴です。そのため、被害者はしだいに相手に従属するようになり、自分で考えても無駄だと思い、無気力になっていきます。最後は心の病になる可能性もあります。

■モラハラ被害者になりやすい女性の特徴7選

モラハラ気質のある人には、プライドが高く、自分の非を認められないなどの特徴がありますが、モラハラ被害に遭いやすい人にも特徴があります。男性からモラハラされやすい女性の特徴は主に次の7つです。

   ◇   ◇

・経済的・精神的に自立できていない女性

・素直で欲がない女性

・忍耐強い女性

・交渉するのが苦手な女性

・自分を犠牲にすることを厭わない女性

・パートナーを全て受け入れようとする女性

・自分に自信がない女性

   ◇   ◇

▽経済的・精神的に自立できていない女性

専業主婦の女性の場合、夫に経済的に頼っている場合が多く、精神的にも頼ることも多くなります。夫のほうも家事や育児は妻に任せているからと、信頼し頼りにしていれば問題は起こりませんが、モラハラ夫は経済的に優位な立場を利用して、妻を自分の支配下に置こうとします。

妻が自分に自信を持って、夫のモラハラをはねつけることができれば問題はありません。しかし、経済的・精神的に引け目を感じ、自立できていない女性は、夫にモラハラを受けても抵抗できず、受け入れてしまうことが多いようです。

▽素直で欲がない女性

素直に相手の言う事を聞き、あまり欲のない女性もモラハラされやすい女性のようです。素直な女性は相手の言う事を鵜呑みにする傾向があり、欲もないため、気が強い女性とは違って、あえて相手とは違うことをしようとか、もっといい方法を選ぶということもあまりしません。

モラハラ男は素直に自分の言う事を聞く女性が大好きです。相手をあまり疑わない素直さにつけこんで精神的苦痛を与えて、自分のコントロール下に置こうとします。

▽忍耐強い女性

忍耐強い女性は、多少の暴言や冷たい態度にも耐えて、夫に尽くそうとします。これは、忍耐強い女性が「夫が不機嫌なのは自分に悪いところがあるからだ」「自分さえ耐えれば良い」と考えがちだからです。そうした心理にモラハラ男は巧妙に付け込みます。

妻が自分の暴言や冷たい態度にじっと我慢する姿を見て、モラハラ夫は「自分が正しいから、妻は何も言えないのだ」と受け止めます。そうして家庭内で絶対的な地位に君臨していると勘違いするのです。我慢し続ける女性の心が傷つき、ボロボロとなっていくことにモラハラ夫は全く気付きません。

▽交渉するのが苦手な女性

モラハラ男の主張は理屈をこねるのが得意で、絶対に自分の非を認めません。そんなことは自分のプライドが許さないのです。このため、人と交渉したり、説得したりするのが苦手な女性は、相手の矛盾を指摘できず、言いくるめられてしまいます。

モラハラ男はたいてい、自分が絶対に正しいと信じていて、自分の正しさを主張することで相手より優位な立場に立とうとします。こうした男に対し、論理的な話が苦手で相手を論破できない女性は太刀打ちできません。モラハラされやすい女性といえるでしょう。

▽自分を犠牲にすることを厭わない女性 

自分を犠牲にすることを厭わない女性もモラハラされやすい女性です。こうした女性は「自分さえ我慢すれば、家庭内も丸く収まる」と考えて、夫の言う事に黙って従ってしまうことがあります。特に子どもがいる場合、子どものことを考えて我慢してしまうことが多いようです。

従順なのだと思い込みます。そして、妻が自分に反論しないのをいいことに、モラハラをエスカレートさせていきます。

▽パートナーを全て受け入れようとする女性

包容力があり、パートナーのすべてを受け入れようとする女性も、モラハラされやすい女性です。悪い所も含めて相手を理解しようとし、モラハラを受けても「根は優しい人なのだから」「職場で仕事がうまくいかなかったのかもしれない」と考え、多少のことは受け入れてしまいます。

そうした包容力も、モラハラ夫にとっては自分にとって都合の良い性格でしかなく、許されるのをいいことに要求をエスカレートさせていきます。そして、妻もそれが当たり前のことに感じられるようになってしまいます。

▽自分に自信がない女性

自分に自信がなく、つい他人に頼ってしまう女性もモラハラされやすい女性だといえるでしょう。そんな女性にとって、自信に満ち溢れ、的確なアドバイスを与えてくれるモラハラ男は頼もしい存在に映るかもしれません。しかし、それもしだいに自分を抑圧し、束縛する存在へと変わっていきます。

自分に自信のない女性は、ついつい他人に頼り、自分で物事を決めようとしない傾向があります。しかし、そうした性格が、男性のモラハラ気質を助長してしまいます。

   ◇   ◇

…相手を支配・コントロールしようとするモラルハラスメントですが、危険なのは、自分が被害を受けているのにも関わらず、その自覚がなく、次第に慢性化していくことです。長期化すると、そのこじれた関係性からなかなか抜け出せなくなるので、早めに行動を起こすことが大切です。

まずは気付きを得ることから。一人で抱えこむことはありません。専門家は、傾向や対策を把握しています。自分がモラハラ被害を受けやすいタイプかどうかを知り、その対処法を学びましょう。

■モラハラ被害者の対処法は?

モラハラされやすい女性にとって大切なのは、まず自分にモラハラされやすい特徴があるという自覚を持つことです。それによって、自分と夫や彼氏との関係を振り返ることができます。その結果、自分がモラハラ被害者だと気づいたときはどうすればいいのでしょうか。効果的な対処法を3つ紹介します。

▽カウンセリングなどで加害者を改善させる

モラハラは当人同士で解決するのが難しく、第三者が間に入ったほうが解決につながりやすいと言われます。しかし、モラハラ加害者は自分の非を決して認めない性格なので、加害者であることも認めようとはしません。改善させるのは非常に困難だと思っていたほうがいいでしょう。

それでも、当人同士で克服しようと考えるのなら、カウンセリングなどを受けて互いに自分を客観視することを勧めます。カウンセラーは数多くの事例を見てきており、改善につながる方法も知っています。きっとよいアドバイスを受けられることでしょう。

▽そのままやり過ごす

モラハラを改善させるのは非常に困難で、加害者だけでなく、被害者の側にも精神的な負担がかかることがあります。いっそ、それなら相手を適当にやり過ごしてしまうというのも一つの方法です。子どもが小さければ、子どものために我慢するのも一つの手段でしょう。

我慢すると言っても、相手の言うことを素直に聞く必要はありません。相手が声高に何かを主張しても「そうね、好きにしたら」「私は自分の思った通りにするわ」などと相手にしなければいいのです。多少の嫌がらせも気付かないふりをします。相手にされていないと気づけば、モラハラも諦めてくれるかもしれません。

▽別れる・離婚する

モラハラが原因で別居したり、離婚したりする夫婦は少なくありません。モラハラに耐えられないと感じたら、一度物理的に距離を取ることを考えてもいいでしょう。

モラハラ男は高圧的な態度を取っていながら、実は相手の女性が去っていくのを恐れています。このため、別居や離婚を切り出された途端、一転して反省するモラハラ男もいます。しかし、ほとぼりが冷めたら再びモラハラを始めるケースも多いので、注意が必要です。 

■モラハラ被害者になりやすい女性はまずは友人へ相談 

モラハラはマインドコントロールに近い部分があり、エスカレートすると被害者が洗脳されたような状態になってしまうこともあります。そうなるとモラハラの関係から簡単には脱却できません。

もし、自分がモラハラされやすい女性のタイプに近いと感じたら、既にモラハラによる洗脳が始まっているかもしれません。自分ではなかなか気づけないので、親しい友人に相談するなどして自分の現在の状況を確認してみましょう。

◆渡辺里佳(わたなべ・りか)離婚カウンセラー

30代半ばで離婚を経験し、子どもたちが成人する頃に「夫婦関係や離婚に悩む人の助けになりたい」「人の役に立ちたい」という想いが膨らみ、2011年、夫婦問題研究家・岡野あつこ主宰の「離婚カウンセラー養成スクール」に通学。 夫婦問題に特化したカウンセリングを学び、同年9月「離婚カウンセラー」資格を取得、52歳でカウンセラーに。

心理を深く学ぶため、日本プロカウンセリング協会認定「心理カウンセラー2級」資格を取得。現在、法務省認証の民間調停機関「家族のためのADRセンター」主催の「パパとママの離婚講座」の講師を担当。ライター、エディターとしても活動している。課題解決型マッチングメディア「リコ活」専門家。

(まいどなニュース/リコ活)

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