「アレルギーでお祭りに行けない」→特定原材料8品使ってません! 岡山で30点集うフェス「屋台巡り楽しんで」
屋台を巡って食べ物を味わうのは祭りの大きな魅力の一つだが、食物アレルギーを気にして祭りに行けない親子もいるという。そんな人たちに、気にせず好きなものを食べて楽しんでもらおうと、原因食物をなるべく使わない屋台を集めた「アレ!!ふぇす」が15日、岡山市で初めて開かれる。
企画したのは主婦の入江槙子さん(40)=同市中区、会社経営の家江由子さん(40)=同=の双子姉妹と、コールドプレスジュース専門店「East plus」を経営する福田優未さん(28)=同。
屋台は主催者が考案した米粉と片栗粉で作ったたこ焼きをはじめ、焼きそば、アメリカンドッグ、リンゴあめ、かき氷など約30店がそろう。いずれも消費者庁が食品表示を義務付けている小麦や卵、乳など特定原材料8品を除いて調理している。
特定原材料に準ずるものとして表示が推奨されているアーモンドや大豆、バナナなど20品目は使用の有無を各店頭に掲示。これら28品目について、使用していなくても調理過程などで微量が混入する「コンタミネーション」の可能性も確認できるようにする。
会場は「East plus」(同高島新屋敷)の敷地内。ヨーヨー釣り、射的といったゲームコーナーを設け、トランペットやフルートの演奏、オペラ歌手のショーなど音楽ステージも楽しめる。
3人は「祭りに行けない子どもはもちろん、親も同じように苦しんでいると思う。子どもに『何でも食べていいよ』と言ってあげられる催しで親子の思い出をつくってほしい」と話す。
午後3時~7時。詳細はインスタグラム(allergenfree_festival)で確認できる。
■子どもの声で企画
「屋台の料理が食べられないから祭りに行ったことがない」
開催のきっかけは、入江槙子さん、家江由子さん姉妹が地元児童から聞いたひと言だった。
妹の家江さんが経営する自動車整備店は小学校の通学路沿い。下校途中に立ち寄った児童らに何げなく「夏休みは祭りに行くの?」と尋ねると、こんな答えが返ってきた。トマトやナスなど多くの野菜にアレルギーがあるという児童。初めて聞いた原因食物に驚き「つらいだろうな」と感じた。
姉の入江さんも10年前に小麦アレルギーを発症し、体調不良や食事に悩まされた経験がある。食べられない子ども本人や、同じ子を持つ親として、祭りを楽しむわが子を見たり写真に残したりできない気持ちが痛いほど分かった。
姉妹は友人で健康食品に詳しい福田優未さんに声をかけ、仲間を募るため地域を奔走。共感の輪は広がり、企業や飲食店、診療所、薬局など30団体以上が協力、協賛してくれた。
開催を知らせるSNSには「食べられる店ばかりの祭りなんて夢のよう」「原材料が確認できるなら子どもを連れて行きたい」など当日を心待ちにする声が届く。3人はみんなが安心して食事できるよう細心の注意を払って準備を進めている。
(まいどなニュース/山陽新聞)