電車内のマナー違反 他人のふるまいは気になるけれど 登場人物たちがつながったポスターが話題 制作側に聞いた
10月から駅や電車内に張り出されたマナー啓発ポスターが話題です。歩きスマホの中高生を苦々しく見るサラリーマン風の男性は、ドア前をふさぐように立っており背後の小学生に邪魔になっています。眠気を催す男性は他の乗客のおしゃべりを鬱陶しく思っていますが、彼自身は手荷物を席に置いており他の乗客が座れません。「自分は絶対に守れてるって実はみんなが思っている」というメッセージを雄弁に物語るイラストに、「我が身を省みよってことですね」「昔『他人のことよく見える、自分のことは見えにくい』ってCMがあったの思い出した 」など称賛の声が上がっています。制作した日本民営鉄道協会(東京都)に聞きました。
「このポスター、完成度高くて感動した」とXユーザーの蒸し豚(@boiled_pig_main)さんが新京成電鉄の元山駅(千葉県)で見かけたポスターを投稿すると、9万いいねを集めて拡散しました。他人に迷惑をかけていることは意外と人の目につくものであり、それを表現するデザインが環形になっていることに感心したといいいます。
■「無意識の行動が引き起こす迷惑行為に着目しました」
同協会によると、この啓発ポスターは約2万6400枚を制作し、10月1日から11月30日、協会加盟の72社の駅構内・列車内に掲出し、各社の駅構内・列車内のデジタルサイネージでも流れています。担当者に聞きました。
ーー歩きスマホの若者の前に杖ついた人がいたり、扉前で塞がれているのがランドセルを背負った小学生だったりなど、いろんな人が登場しています。あらためてポスターの狙いを
「 本ポスターは2022年度に実施した「駅と電車内のマナーアンケート調査」の結果である『駅と電車内の迷惑行為ランキング』を参考に制作しました。2023年度も駅と電車内のマナーアンケート調査を10月1日から11月30日まで実施し、参加を呼び掛けています。啓発ポスターの掲出とマナーアンケート調査を同時に行うことで、両施策の相乗効果を図り、マナーに対する関心を一層高めることを目指しています」
ーー「我が身を省みよ」というメッセージはマナー啓発ではあまり例がないように思いました。
「『迷惑行為の大部分は、故意ではなく無意識に行われている点』に着目しました。『自分は絶対マナーを守れている』と思っていても、実は知らないところで配慮が足りずに迷惑を掛けてしまっているかもしれません。良識ある誰もが『迷惑行為の当事者』になってしまう可能性があることを伝えるために、このようなデザインとしました」
日本民営鉄道協会は11月30日まで「駅と電車内のマナーアンケート(2023 年度)」を実施しています。協会のホームページ上のリンクバナーからも回答画面に移動します。
駅と電車内の迷惑行為ランキング(2022 年度)回答総数3305人、()数字は昨年順位
1 (2) 座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)
2 (1) 騒がしい会話・はしゃぎまわり
3 (3) 乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)
4 (6) 荷物の持ち方・置き方
5 (4) 周囲に配慮せず咳やくしゃみをする
6 (5) スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)
6 (7) ゴミ・ペットボトル等の放置
8 (8) 酔っ払った状態での乗車
9 (13) 優先席のマナー
10 (9) ヘッドホンからの音もれ
11 (16) その他
12 (14) エスカレーター・エレベーターの利用の仕方
13 (11) 車内での化粧
14 (12) 電車の床に座る
15 (10) 混雑した車内での飲食
16 (15) 電子機器類(パソコン・携帯ゲーム機等)の操作
17 (17) ペットの持ち込み方
18 (18) 特にない
(まいどなニュース・竹内 章)