「パート先は重要文化財」68歳女性ライターが新著 京都・南禅寺で3年、堂内案内やトイレ掃除
フリーライターの服部素子さん(68)が「シニア」として職を探し、南禅寺塔頭の金地院(京都市左京区)で働いた3年間をつづった本「パート先は重要文化財」を刊行した。「私の好奇心を満たしてくれる職場だった。自分の思いを大切に、職探しをすることが大切」と語る。
服部さんは京都市出身。新聞や企業などの広報誌で、生活や福祉、京都の伝統産業といった幅広い記事を書いてきた。シニア世代となり、どんな仕事があり、どのように職を得られるかをまとめたいと考えた。
2019年、自ら、求職者として就職活動に乗り出した。「京都らしいところで働きたい」という希望に、複数の神社・仏閣を紹介された。そしてロケーションの良さが気に入り、金地院へ。週3日の勤務、見学者の案内や堂内やトイレの掃除などを担当、スタッフ同士は互いのことに深入りしない…と、働きぶりを本で詳しく記述する。
「案内をしていて、お客さまの質問に答えられなかったら、自分で調べた。分からないことを調べたり探したりするのが好きな自分に合っていた」
仕事を求める同世代の人たちへエールを送る。お金を稼ぎたいのか、未体験なこと、やってみたかったことに挑戦したいのか、働く体力はあるかなど、自分を大事にして仕事を探すことが肝要。「たくさんの経験があるシニアだからこそ、自分に合わせ、カスタマイズした仕事を選んでみてはどうでしょうか」と提案する。
183ページ、リーブル刊。1210円。
(まいどなニュース/京都新聞)