angela、古里テーマの新曲「OK!岡山」リリース KATSU「こんなに好きだったんだ」atsuko「帰る場所はここにある」

 アニメソング界をけん引する岡山市出身の2人組音楽ユニット「angela(アンジェラ)」が、今年のデビュー20周年を機に古里の活性化に力を注いでいる。岡山をテーマにした新曲を作り、ミュージックビデオを市内で撮影。ライブ会場では特産品や観光の魅力を発信する。郷土愛を胸に活動する2人に地元の応援機運も高まっている。

 angelaは、ギターのKATSUさん(49)とボーカルのatsukoさん(48)の男女2人組。2003年にデビューし「蒼穹(そうきゅう)のファフナー」「K」「シドニアの騎士」など多くのアニメ作品の主題歌、挿入歌を担当してきた。6月には34曲あるファフナー関連で「同じアーティストにより歌われたアニメーションフランチャイズの歌曲の最多数」としてギネス世界記録に認定された。

 5月には岡山市から、市の魅力を発信する「桃太郎のまち岡山大使」に任命され、atsukoさんが同市東区西大寺地区出身であることから西大寺観光協会の「はだか祭りのまち 西大寺ふるさと大使」も務める。

 古里の活性化は、西大寺中OBらでつくる街づくりグループ「燦燦(さんさん)会」と連携した取り組みだ。25日にリリースする11作目アルバムには新曲「OK! 岡山」を収録。atsukoさんの母校・西大寺高や西大寺観音院などを舞台に、生徒や地域住民も出演するミュージックビデオを撮影する。岡山市立市民文化ホールで29日に開催するライブでは、西大寺高生が開発した特産品セットや地元の菓子店、醤油(しょうゆ)メーカーなどの商品を集めた西大寺物産展のコーナーを会場に設ける。

 古里との絆を深める2人に、地域住民もエールを送る。西大寺公民館で開かれた5月の凱旋(がいせん)ライブでは、ボランティア約30人が全国から集まったファンを会場まで案内。会場近くには音楽ステージや飲食コーナーを設けてもてなした。燦燦会はデビュー日(5月21日)にちなみ、毎月21日を「angelaの日」に決めた。西大寺観音院でのラジオ体操会に、メンバーがangelaのTシャツを着て参加し、応援を呼びかけている。

 燦燦会の西尾敏会長(65)は「angelaと地域の思いが一つになり、このつながりが生まれた。双方が応援し合う関係を息長く続けていきたい」と話している。

 燦燦会メンバーとのオンライン会議に参加したangelaの2人に古里への思いを聞いた。

■KATSUさん「こんなに好きだったんだ」

 デビュー20周年を節目に、angelaが次のステージに行くために何が必要かと考えると、やはり地元の応援だと思った。上京して30年たって「岡山がこんなに好きだったんだ」と強く感じるようになった。そんな時、燦燦会の人たちと出会い、「街を活性化させたい」という熱意や結束力に胸を打たれた。祭りや文化があって、みんなが手を取り合って「盛り上げていこうぜ」って。そんな人たちと一緒に地域おこしができたら、angelaも次に進める。やりたいことが東京だけではなく、岡山でもかなえられると思う。

■atsukoさん「帰る場所はここにある」

 私自身、西大寺にもう実家はなくて、「帰る場所はないんだろうな」と思っていたところに昨春、ご近所でお世話になった燦燦会の赤木恭吾さんとたまたま再会。「西大寺を盛り上げる手伝いをしてほしい」と声をかけていただき、あらためて古里に目を向けるきっかけになった。街づくりに懸ける皆さんの熱量、スピリッツ、私たちの思いを実現するために動いてくださる姿…。「帰る場所はここにある」と気付かせてくれた。これからも太く、長く、皆さんと一緒に、音楽を通じてたくさんの人に岡山に来て、好きになってもらえるお手伝いができたらいいなと思っている。

(まいどなニュース/山陽新聞)

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