首輪に「拾って下さい」のメッセージ、捨てられた犬の里親が決まった!「会いたい」と即行動「一緒に幸せになりたい」
今年9月初旬、熊本県宇城保健所(宇城市)に収容された元保護犬の里親さんが決まりました。
元保護犬の名前は、モカくん。5歳の男の子です。首輪に「拾って下さい よろしくお願いします」とメッセージ入りの札を付けたまま同県美里町で遺棄されていたモカくん。さまよっているところを保健所の職員が保護しました。そこで、地元で保健所の里親探しを後押しする動物愛護団体「アニマルアシスト千手」さん(@u06G34ahrvCapNt)が遺棄されたモカくんのことをX(旧Twitter)に投稿。多くの人たちの目に触れ話題になり、まいどなニュースが9月21日にモカくんのことを記事を通じて紹介したところ、里親希望者が相次いだそうです。
今回モカくんの里親さんが決まった経緯について、「アニマルアシスト千手」さんに聞きました。
■熊本の保健所に収容された元保護犬の記事を目にし「会いたい!」と即行動
──このたび、モカくんの里親さんが決まったのですね。
「10人ほどの方から連絡がありました。室外飼育だったり、条件が合わなかったりでしたが…静岡の方がモカくんの記事を読んで会いたいと言われ、記事が出たその週の週末に会いに来られました」
──わざわざ静岡から熊本までモカくんに会いにいらしたのですね。
「はい、9月29日に来られました。私が空港までお迎えに行き、一緒に宇城保健所へ向かいました。職員さんから保護当時の話を聞いて、モカの散歩をしたり触れ合ったりしてもらいました。その後、モカが保護された場所も案内しました」
──そこで、すぐモカくんに会いに来てくれた静岡の方が里親さんに決まったのですね。
「そうです。10月の頭にモカくんを去勢のために引き出し、マイクロチップ、血液検査をして抜糸後に、名古屋のセントレア空港に輸送することになりました。その間、以前からのボランティア仲間の他団体さまに預かってもらいました。そして空輸当日お迎えに行ったところ、モカくんは少し不安げな表情でしたが、静岡の里親さんのおうちに到着後は芝生の庭を駆け回るなどリラックスしていたようです」
──里親さんについて教えてください。
「犬に対して誠実な方です。高齢の方ではないのですが、自分たちが急な入院や死去などもしものときがあった時には犬たちの身の振り方をちゃんと考えてらっしゃいました。話していて間違いない方と感じましたね」
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■里親さんの元に到着後、芝生の庭で駆け回った元保護犬
【里親さんから寄せられたメッセージ】
「Yahoo!ニュースでモカちゃんの記事を見て、すぐ妻に『里親に応募して良いか』とLINEしましたら、秒で『O.K.!』と返信が。記事からアニマルアシスト千手さんの連絡先を知り、家庭環境や自宅状況をお知らせして、静岡の遠方でも里親候補になれるかをメールで問合せしました。家には17歳の黒柴、15歳のミニチュアダックスの他に保護猫が4匹。次に犬を迎えるなら保護犬を、と常々妻と話してましたが、こんなにすぐ行動した自分にびっくりです(笑)。なぜそうしたかは、自分でもわかりませんが、これがご縁というものかもしれませんね。その後に代表の土田さんからご連絡頂き、里親としてふさわしいか、モカちゃんが受け入れてくれるかを見ていただきたくて、熊本に会いに行きました。そして里親として了承を得て、モカちゃんをお迎えすることになりました。
10月に入り「アニマルアシスト千手」の土田代表が熊本空港からモカちゃんを空輸で送り出してくれまして、到着時間に合わせてセントレア空港に妻と一緒に迎えに行きました。初の飛行機でモカちゃんの体調が心配でしたが、貨物搬出の最初こそ緊張していたものの、車ですぐのパーキングエリアでは元気に歩いてくれてホッとしました。
セントレア空港から約2時間かけて静岡県菊川市の家に到着。芝生の庭に放したところ、駆け回ってくれて感動しました。もともと、犬のために整えた庭でしたが、高齢の先住犬たちは立ち尽くすかお義理で数歩歩くだけでしたので。妻とは初対面でしたが、すぐにお腹を見せて甘えてくれたので一安心。これから徐々に先住犬たちに会わせて慣れていってもらえればと思っています。モカという名前は変えない予定です。この子にとって大事な名前でしょうから、私たちもそれも含めてモカ自身として一緒に大事にしたいと今は思っています。これから大変なこともあるかもしれませんが、一緒に幸せになりたいと考えています。モカちゃんがのびのび暮らせるように頑張ります」
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)