電車で脚を広げて座る女子高生、葛藤の末に…娘を持つ母の「お節介」にさまざまな声「どうか被害者にならないで」
「炎上するかもしれないけれど、子を持つ親御さんと共有したいので投稿します」。X(旧Twitter)ユーザーの山本さん(仮名)が発信した投稿に、さまざまな声が集まっています。
ある日、電車に乗っていた山本さんの通路を挟んで前の席に、制服姿の女子高生が座りました。女子高生は短いスカートで脚を開いたままぐっすり寝てしまい、それを見た山本さんはハラハラ。指摘するか迷ったものの放っておくことができず、「彼女がいつか怖い思いをするかもしれない」と葛藤の末、唯一持っていた紙類でカバンに入っていたレシートの裏にこのように書いたといいます。
「私も娘がいるので許してね。制服の時は足を広げると下着が見えてしまう。足を閉じて座るって疲れるよね。膝を閉じるだけでも見えなくなるの。私もアドバイスもらったの、試してみてね。大きいリュックで土曜日に偉いね、頑張ってね」
先に電車を降りようとした女子高生に慌てて手渡したそのメモ。女子高生はホームですぐにそれを読み、窓越しに微笑んで会釈してくれたといいます。山本さんが「子を持つ親には知っていてほしい」と当時のことをXに投稿したところ、「素敵な行動だと思います。やさしさが伝わったのではないでしょうか」「私も同じように声を掛けられたことがあります、教えてもらえてよかったと思ってます」と賛同の声が多いなか、「周りが言うことじゃない」といった否定的な意見も散見されました。
■ホームで微笑んでくれた女子高生「お節介とはわかっていたけど…」
山本さんにお話を伺ったところ、「お節介とはわかっていたんですが、盗撮や痴漢など、彼女がいつか傷つくようなことが起きたら…」と葛藤があったことに加え、伝え方にもかなり悩み、細心の注意を払って文面を考えたといいます。
「レシートではなくもっとかわいいメモを持っていたらよかったんですが…」と苦笑しつつも、女子高生が恥ずかしい思いをしないように、文面で伝えることを選びました。
そこまで女子高生の身を案じるのは、山本さん自身が経験した恐怖や、娘を持つ親としての気持ちが根底にあったからです。
「私も昔、同じようなことを指摘してもらったことがありました。また、電車で痴漢被害に遭ったことがあるので、嫌な思いをしないようにという一心でした。彼女が今後何か性犯罪の被害に遭って傷つく方が怖かったです。どうか被害者にならないでほしい。また、娘が最近一人で電車に乗るようになったので、他人事とは思えませんでした」と山本さん。
「(女子高生は)微笑んで会釈してくれましたが、自分の伝え方が正解だったかは分かりません。もしかしたら彼女はイラついたかもしれないし、ウザいと思っていたかも。でも、たとえそう思われていても、こんなウザいこと言われたなと思い出して、少しでも彼女が身を守ることに繋がればと思っています」。
投稿にはコメントが多数寄せられ、少ないながらも否定的な声もあがっていました。「お節介と言われたら、本当にその通りですよね。そういう意見が届くことは分かっていましたが、伝えたことを後悔はしていません。もし今後彼女が怖い思いをしたとして、伝えなかった後悔の方が大きいと思いますので」(山本さん)。
投稿の最後を山本さんはこう締めくくっています。「彼女に嫌な想いをさせないですみますようにと願う。電車を使うことも多い今の子達どうか今一度、ママもパパも娘さんの座り方、確認してあげてほしい」。
(まいどなニュース・門倉 早希)