なぜ売れる?常夏の国インドネシアで日本のユニクロ冬物商品が人気 本社が明かす「2つの理由」
「常夏の国インドネシアのユニクロに、真冬用のダウンジャケットが売ってる!なんで?」ーーこんな話を聞き、首都ジャカルタ在住の日本人に写真を送ってもらうと、たしかに店頭には冬物商品がずらり。ダウン以外にも、ヒートテックやフリースなど、秋冬の日本の売り場とそっくり。現地在住の日本人の予想は「インドネシアはバイクに乗る人が多いから長袖が売れるのかな」。真相は。ユニクロ本社に聞きました。
■ユニクロが明かした2つの理由とは?
なぜ暑い国なのに冬物商品が並ぶのか。 ユニクロを運営する「ファーストリテイリング」の広報部担当者に電話で尋ねると「暑い国でもよく売れるんです」。理由は2つありました。
1つ目の理由は「冷房」。
「オフィスなどの中に入ると、ものすごく冷房が利いています。そのためヒートテックやフリースを着る人が多いんです」(同社広報担当者)
もう1つの理由は「海外旅行需要」。
「海外旅行する人が多いエリアです。行き先はカナダや日本の北海道など、寒い場所が人気のようで、旅行前に自国で防寒具を購入し、持参する人が多いようです。特に、コンパクトに収納できる袋付きのウルトラライトダウンは一年を通じてよく売れるため、年間商品になっています」(同社広報担当者)
インドネシアに限った現象ではなく、香港などでも同様の売れ方をするといいます。
ちなみにジャカルタのライダーに需要があるのか尋ねてみると、広報担当者の耳には入っておらず、「そもそもバイク用に開発した商品ではないので…」。しかし、ジャカルタ市内の交通渋滞の写真を見ると、バイクに乗る多くの人が薄手の長袖ダウンを着用しており、予想はあながち間違いではなさそうです。
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インドネシアのユニクロは2013年6月に1号店がオープン。現在は64店舗にまで拡大しています(9月30日現在)。現地在住の日本人の間では「外は暑いけど建物の中ではユニクロのカーディガンが必須」「とにかくオフィスの冷房がきつくてユニクロの長袖がないと辛い」「登山のときに役立った」などと重宝される存在に。店内にはヒジャブ(イスラム教徒の女性が着用する頭を覆う衣類)姿の客も多く、日本人に限らず現地の人たちにも愛されているようです。最近では東南アジア限定商品として、ユニクロとジブリのコラボ商品が発売され話題になりました。
(まいどなニュース・金井 かおる)