「豪邸」の主は2歳メス 総面積1000平方m、プール水深2m…東山動植物園「新ジャガー舎」完成 謎だらけの生態を間近で見るチャンス

名古屋市の東山動植物園で新しく「ジャガー舎」が完成。一足早く報道向けに公開されました。約10億円をかけ、総面積約1000平方m。2カ所ある屋外運動場は傾斜地を生かした高低差のある造りで、屋内運動場も2カ所、寝室7室。ジャガーのプールとしては深さ日本一(2m)の温水プールがあり、「水中を泳ぐジャガー」を真横からガラス越しに見られます。天井は高く、日光も差し込みます。

ジャガーは北米大陸南部から南米大陸に分布し、湖や川の近くに生息。中南米では生態系の頂点に君臨するものの、森林破壊や商業目的の密猟で数を減らしています。

同園の新ジャガー舎の展示個体は2021年8月生まれのメス「マヤ」。今月初めに神戸市立王子動物園から移動してきたばかりの黒いジャガーです。

報道向けに公開された10月20日午後。地元テレビ局や新聞社などのカメラが待ち構える中、出入り口奥で黒いものが動くのは分かるものの、なかなか出てきません。待つこと約30分…。ようやく姿を現したマヤは、頭だけ出して辺りをぐるりと見回した後、右前脚を少しブルブルさせてから、再び奥へ入っていきました。その間わずか30秒ながら、大きな頭、太い脚、がっちりした肩が見え、ジャガー独特の体の逞しさが伝わってきました。

獣医師でもある今西鉄也副園長は「マヤがこの屋内運動場に出るのは2回目です。初めて出た日に、浅くしたプールに入って、『犬かき』で上手に泳いでいました。様子を見ながら水位を上げ、いずれは水中で泳ぐ姿をガラス越しにご覧いただけると思います。屋外運動場に出た日も、あちこち探索して興味津々だったようです」

旧獣舎で暮らすオスの「アスカ」は、新ジャガー舎のポスターなどで“活躍”していますが、「現在19歳で高齢のため、体調を考慮し新獣舎への移動は見合わせています」と副園長。

観覧通路では、生息地での保護活動の現状や、人々との関わりなども紹介。ヒョウやチーターなど模様が似ている動物との見分け方、黒色と黄色の色が決まる法則などもパネル展示し、ジャガーの生態を学ぶことができます。

「マヤはとても活発で食欲旺盛。生まれた園では展示場内の植栽や物を破壊してきたということは聞いております。こちらではまだ慎重な様子ですが、そのうち、うれしい悲鳴を上げたいくらい元気に、いろいろな姿を見せてくれると楽しみにしています」

新ジャガー舎の一般公開は2023年10月24日から。詳細は同園公式サイトで。

(まいどなニュース特約・茶良野 くま子)

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