「トラバサミ」が見つかった事件現場で、地域猫2匹が行方不明→ボランティアが残った猫を保護「不審な2人組を見かけた」

東京都足立区の荒川河川敷でイノシシやシカの脚を挟んで捕獲する狩猟用わな「トラバサミ」が見つかった事件。トラバサミにかかった猫は保護されましたが、今も犯人の行方は分かっていません。これ以上被害が出ないようにと、事件が起きた河川敷のエリアでひとりぼっちになってしまった地域猫を地元のボランティアが保護しました。

保護されたのは、もちょちゃん。14歳くらいのシニア猫(雌)です。トラバサミが見つかった9月26日の2日前に姿を消したはなちゃん(雌・推定10歳以上)と仲が良く、一緒に行動していたといいます。事件が起きたエリアには、もちょちゃんやはなちゃんをはじめ、トラバサミのわなにかかって右前足を負傷したちくわくん(雄・推定8歳以上)、8月中旬ごろに行方不明になったじんたくん(雄・推定10歳)の地域猫4匹がいたとのこと。ちくわくんは保護されて治療を受けているため、事件後たった1匹だけ取り残されていたというもちょちゃん。今回、犯人がまだ捕まらないこともあり、餌やりのお世話をしていたボランティアが急きょ保護したそうです。

■1匹の地域猫が8月中旬に行方不明 9月下旬にトラバサミ事件が起きた

もちょちゃんについて「保護当初、けがなどなかったのでほっとしましたが、緊張していたようでしばらくご飯を食べませんでした。今はご飯も食べ元気でいます」とボランティアのいなさん。トラバサミの事件が起きる以前から事件現場周辺で不審な人物を見かけるなど地域猫たちのことを心配していたといいます。

「じんたがいなくなった8月11日午後7時頃のことです。私がお世話をしていたもちょに餌をやりにきた時、川に釣りに来ているわけではないような、外国人風の不審な2人組がいたんです。3、4時間ほど周辺をうろうろしていて。その際、いなくなったじんたをお世話されていた方と一緒に探し回っていたのですが、探している最中に血を吐いて死んでいたネズミを見つけました。まさか…と、当時不安が頭をよぎりましたが…その出来事が起きて2カ月も経たないうちにはながいなくなり、そしてトラバサミの事件が起きました」

さらに、いなさんは河川敷についてこう説明します。

「別のエリアになりますが、8月くらいから猫の餌場近くの何カ所かに猫捕り業者(※)が猫がいるところを目印として付けるピンクリボンが結び付けられていました。ピンクリボンは建築現場での測量の際などにも結び付けることがあるのですが、当時国交省の河川事務所に確認を取ったところ、河川事務所が付けたものではないと分かって。全てリボンを外しました。また夜になってから、過去にサイクリング用の道にくぎがまかれたこともあったり。猫の餌に毒物を入れられたこともあります。今回のような事件が二度と起きないように、防犯カメラをつけてもらうなど対策が必要だと感じます」

※猫捕り業者…猫を捕獲して、三味線の皮革業者や実験動物の取り扱い業者などに流しているという業者。

  ◇  ◇

■事件が起きた河川敷の整備と防犯カメラ設置を求めるオンライン署名 目標5万件!

現在、足立区荒川河川敷トラバサミ猫犠牲事件を風化させないためにと、荒川河川敷足立エリアの整備と防犯カメラ設置を求めるオンライン署名を「Change.org」にて行っています。発起人のコウさん(@Ryomatan_55love)によると、署名は2万2千を超えているそうです。

「署名が集まり次第、河川敷の整備と防犯カメラの設置を求めていきます。まず河川敷の整備ですが、草木が不ぞろいで伸びている状態なので、定期的に短く切りそろえるなどしてトラバサミといったわななどが仕掛けられていても足元が見えるようにしてもらいたいです。さらに日が沈むと街灯もなくとても暗いところなので、防犯カメラの設置を強く訴えます。不審な人物を撮影し今回のような事件が起きたとしても犯人を特定できる可能性が高く、またカメラがあることで犯罪の抑止力にもつながるかと思います。今後、署名は5万件を目指しており、目標に達したら東京都に提出する予定です」

(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)

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