別れても別れても…また“ダメ男”と付き合ってしまう 「モラハラ男」を引き寄せる女性の特徴5選【離婚カウンセラーが解説】
モラハラ男の被害に遭う女性は少なくありませんが、せっかくモラハラ夫やモラハラ彼氏と離婚したり別れたりしたのに、再びモラハラ気質の男と交際してしまう女性がいます。こうした女性には共通した特徴があるようです。いったいどのようなところが、モラハラ気質のダメ男を引き寄せるのでしょうか。共通点について離婚カウンセラーの渡辺里佳さんが解説します。
■モラハラ男にとって、妻は彼女はどのような女性がよいか
夫や彼氏がモラハラをする目的は、妻や女性を自分の思い通りにすることです。妻や彼女を服従させ、自分が言うことに従わせることで、優越感を得たり自己肯定感を高めたりしています。そのためには、妻や彼女は「自分にとって都合のよい女性」でなくてはなりません。モラハラ男が「自分にとって都合が良い」と感じるのは、次のような女性です。
・自分の意見をあまり言わず、夫や彼氏の言いなりになる
・夫や彼氏の機嫌が悪いと、自分が悪いのではないかと考える
・夫や彼氏との関係を良好に保つために努力する
・自分から折れて相手に謝る
・献身的に夫や彼氏に尽くす
■モラハラ男を引き寄せる女性の特徴5選
モラハラ男にとって都合の良い女性だと思わせ、彼らを引き寄せてしまう女性の性格や考え方には共通点がいくつかあります。そのうち特徴的なものを5つ紹介します。
▽人を簡単に信じてしまう女性
あまり人を疑わず、相手の言うことを簡単に信じてしまう女性は、モラハラ男を引き寄せるタイプだと言われます。こうした素直な女性は「俺が怒るのは、お前のためだ」というモラハラ男の定番のセリフを信じてしまい、夫や彼氏が怒るのは自分のせいだと思い込んでしまいます。
モラハラ男は、こうして人を信じやすい女性に特有な心理を利用し、女性を支配することで自分のプライドを保ちます。そして、逆に支配された女性は相手に依存していくことになるのです。人を信じることは良いことですが、一度立ち止まって相手の言葉を疑ってみることも必要です。
▽相手の悪い所も全て受け止めようとする女性
男性の短所も含めて全て受け止めようと考える包容力のある女性も、モラハラ男を引き寄せることが多いようです。こうした女性は、多少のモラハラを受けても「本当は優しい人だから」と考え、どうしてこんなことをするのか、相手を理解しようとします。
ところが、そんな優しい女性もモラハラ男には「自分の言う事を聞く従順な女」にしか見えません。周囲から見れば、自分勝手な理屈を並べる変な男でしかなくても、女性はそれを含めて受け入れようとするので、自分が被害者であることになかなか気づけません。そして、いつの間にか相手に支配されてしまうのです。
▽自分を犠牲しても相手に尽くす女性
自分を犠牲にしても相手に尽くそうと考えてしまう女性も、モラハラ男を引き寄せるタイプのようです。こうした女性は、自分が相手に尽くせば、相手も変わってくれるはず、優しい一面を見せてくれるはずだと考えがちです。しかし、モラハラ男にとって「尽くす女性」は自分にとって「都合の良い女」でしかありません。
プライドが高いだけのダメ男は、女性に尽くされれば尽くされるほど、「自分の言っていることが正しいから、相手も素直に言う事を聞くのだ」と勘違いし、さらに女性を自分の思い通りにしようとします。そうして、モラハラ行為もエスカレートしていきます。
▽責任感が強い女性
責任感が強く、問題があれば自分で解決しようと考える女性も、モラハラ男を引き寄せることになりがちです。こうした女性は、家庭内に問題があっても周囲にあまり話さず、自分の力で解決しようとします。一方、たいていのモラハラ男は外面が良いので、周囲はモラハラ被害になかなか気づけません。
責任感の強い女性は、モラハラ男が無理な要求を突き付けても、努力して解決しようとします。そうした女性の姿を見てモラハラ男は「自分の言う事を何でも聞く従順な女」と思い、プライドを保ち、満足します。そして、自分にどれだけ従順なのかを確かめるように、要求をエスカレートさせていきます。
▽自己評価が低い女性
自己評価が低く、自分に自信のない女性は、自信に満ちあふれエネルギッシュなモラハラ男を「頼りがいのある男性」と感じてしまう傾向があるようです。一方、モラハラ男は、相手が自分を信頼して言う事に従うので自己肯定感が高まります。
こうした関係が続くと、女性はしだいに男性に依存するようになり、モラハラ男も女性を支配下に置くことで自分のプライドを保つようになります。そうなると、互いにモラハラが当然のようになり、こうした歪んだ関係から抜け出せなくなってしまいます。このような夫婦関係は子供の成育に悪影響を及ぼすことがあります。
■モラハラ男を引き寄せないコツは?
モラハラを引き寄せる特徴を持つことが分かっても、自分の性格や考え方は簡単には変えられません。しかし、自分のどのようなところがモラハラ男を引き寄せるのかを知れば対策は取れます。中でも特に重要なのは、男性に頼らず経済的、精神的に自立することです。
▽経済的・精神的に自立する
経済的に優位に立つモラハラ男に多いのが、生活費を渡さないなどの経済的なハラスメントです。専業主婦や短時間のパートで働いている妻に「俺ほど稼げないくせに文句を言うな」などと暴言を吐きます。こうしたモラハラ男を引き寄せることを防ぐには、経済的な自立を図ることも必要です。
また、モラハラ男は自分に対して反論できず、ただ従うしかない女性を見て「自分がいなければ何もできない」と優越感に浸り、モラハラをエスカレートさせていきます。そうした夫や彼氏には「私はそう思わない」「私の思い通りにする」などと立ち向かうことも大切です。夫や彼氏から精神的にも自立することを目指しましょう。
■モラハラ男を引き寄せないように注意
モラハラ男を引き寄せることがないよう、モラハラ男に「都合の良い女」と思われないようにするのが大切です。しかし、狡猾なモラハラ男は、女性の思いやりや謙虚さを逆手に取って自分の支配下に置こうとします。もしかすると、知らずしらずのうちに、モラハラ男の策略にはまってしまうかもしれません。
まずすべきことは「自分を知ること」です。相手の人生を生きるわけではありませんし、都合のいい女として生きていいわけはありません。本当の自分はどうしたいのか、どうありたいのかを知ることで、自分軸ができ、自立の方向に向かいます。少しでも違和感を感じたら、それはSOSのサインです。
なお。夫や彼氏がモラハラかどうかの見極めは難しく、当事者になると被害に気付かないこともあります。夫や彼氏の言動に不満や疑念を感じたら、親しい友人や家族にたまには愚痴をこぼしてみましょう。ひょっとすると、周囲がモラハラに気付いてくれるかもしれません。カウンセラーといった専門家に相談してもいいでしょう。
◆渡辺里佳(わたなべ・りか)離婚カウンセラー/課題解決型マッチングメディア「リコ活」専門家
30代半ばで離婚を経験し、子どもたちが成人する頃に「夫婦関係や離婚に悩む人の助けになりたい」「人の役に立ちたい」という想いが膨らみ、2011年、夫婦問題研究家・岡野あつこ主宰の「離婚カウンセラー養成スクール」に通学。 夫婦問題に特化したカウンセリングを学び、同年9月「離婚カウンセラー」資格を取得、52歳でカウンセラーに。
心理を深く学ぶため、日本プロカウンセリング協会認定「心理カウンセラー2級」資格を取得。現在、法務省認証の民間調停機関「家族のためのADRセンター」主催の「パパとママの離婚講座」の講師を担当。ライター、エディターとしても活動している。
(まいどなニュース/リコ活)