焦がしてしまったパンが、きれいな星空に!? 「クリエーターさんってすごい!」「これ以上ない活用方法」
トーストで焦がしてしまった食パンを画面いっぱいに写した画像を、「素材に使っていいですよ(ヤケ) 商用でもなんでもいいですよ 焦がしたなうに使っていいよ(白目)」とXにポストしたところ、素晴らしい作品が続々と誕生してSNSが沸いています。
パンを焦がしてしまったのは、物語を感じるような透明水彩を描くほか、デザイナー・イラストレーターとして活躍する「なかまさゆみ(@kinoko_zip)」さんです。パンを焦がした日、なかまさんは最愛の息子さん(8歳)の歌の発表会に、朝食を食べる前に駆けつけました。鍵盤ハーモニカを一生懸命演奏する息子さんに大満足のなかまさん。お腹を鳴らしながら帰って、朝食として8枚切りの食パンで卵とチーズのホットサンドを作ることにします。
直火タイプのホットサンドメーカーを火にかけて、お茶をつくりつつ様子を見ながら焼いていたなかまさんでしたが、サンドメーカーを開いてみたら画像の通りに焦げてしまっていたのです。
「私たちグラフィックデザイナーやイラストレーターは壁やレンガ、紙などの素材から作る加工できそうな画像のことを『テクスチャー』と呼びます。今回のパンもざらつき感などが何かしらに活かせるのではないかと思いXのフォロワーさんに面白がってもらおうと投稿しました」(なかまさん)
すると、「保存させていただきます!」「理想の焦がし面をありがとうございます…!有難く、素材として使わせていただきます」「ものすごく求めていた質感です……!!」などとコメントが寄せられて、2.3万の「いいね」がつきました。
そして宇宙、壁画の表面、黄金、ゴジラの皮膚、アスファルト、マグマ、なぜか音楽作品まで、あの焦げパン画像がこんな素晴らしい作品に!?と驚くようなクリエーションが、感謝のコメントとともに続々と投稿されて、焦げパン大喜利状態に!
なかまさんが尊敬しているというイラストレーター「サタケシュンスケ(@satakeshunsuke)」さんも「ちょうど焦がしたパンの素材を探し求めていました!お陰さまで背景がいい感じになりました、ありがとうございます!」と、焦げパンから、美しく輝く星空になる過程までわかる画像をリポスト。
「焦げ加減を見た時にこれはいい星空になるぞと。パンを焦がしたことが単なる失敗として終わらず、こうしてお祭りになってみんなで楽しめることが、いかにもXらしいなと思いました」とサタケさん。
スマホに指でイラストを描いている「ヌツキ(@nutuki_)」さんは、アルバトリオンの絵の背景に焦げパンを利用。焦げパンが迫力ある炎に変換されていて、こちらも「凄すぎる。言われなきゃ絶対焦げたパンってわからない」状態です。ヌツキさんは「焦げパンの優秀な点は、手書きではなかなか出せない細かい凹凸やコントラストですね」と話しています。
焦げパンをアンティークの「星屑の砂時計」にしたのは、イラストレーターの「Soraizumi(@KleinesGluck)」さんです。「絶妙な質感とコントラストの焦げを見つめているうちに、流れ落ちる星空の様に見えてきまして…w 久しぶりにまっさらな偶然性からの着想を楽しませて頂きました!」とデザインの面白さを感じたようです。
焦げパン画像を広く提供した、なかまさんにお話を聞きました。
──みなさん、焦げパンを最大限に利用されていて、才能に驚きました。焦げパンはその後どうなったのですか?
最初は焦げた面を包丁やフォークで削ろうとしたんですが、8枚切りでしかも具沢山で圧着して焼いたので修復不可能だったため、片面(焦げた1枚)を剥がしてこっそり生ゴミに捨てました。同居している母にはバレました。
──さすがにサンドイッチ用の薄い8枚切りがぺちゃんこ状態では美味しくないし、食べたら体に悪そうです…悲劇が1枚だけでよかった。なかまさんも、焦げパンでTシャツなどのグッズを作られたのですね。これは記念に?
バズる直前フォロワー数が5800人くらいだったんですが、そんなに伸びないだろうと「6000人突破したらネタで作ります(笑)」という感じで投稿したら、あっという間に突破してしまったので公約みたいな感じで制作いたしました…作っている間も楽しかったです。
なかまさんが制作したグッズは、焦げパンそのままのデザインで、すぐに膝掛けが売れました。「めっちゃあったまりそう」です(笑)。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)