こんなにスマホやネットを使って…うちの子は大丈夫!? 気をつけたい「依存症」のサイン【保健所職員が解説】

コロナ禍により、子どものネットやゲーム利用時間が拡大したと言われ、コノコト編集室にも「学校から帰ったらゲームばかりしている」「依存症になるのではないか心配」-などの悩みが寄せられています。いったいどこからが依存症で、「依存症かも?」と思ったら家族はどのように対応したらよいのでしょうか?

富山市PTA連絡協議会は8月末、子どものネットやスマホ利用をテーマに親学び講座を開き、富山市保健所保健予防課の藤牧範行さんがネットやゲーム依存症について講演しました。

■10歳で6割、14歳で9割が自分のスマホ

内閣府が全国を対象に実施した令和4年度(2022年度)青少年のインターネット利用環境実態調査によると、子どもたちが自分専用のスマホを持っている割合は、7歳で2割、10歳で6割を超え、14歳では9割に達します。

■10歳以上の小学生 4人に1人が1日5時間以上

1日のインターネット利用時間は、小学生(10歳以上)が平均3時間34分、中学生が4時間37分、高校生が5時間45分。さらに5時間以上と答えた割合は、小学生で4人に1人、中学生では3人に1人、高校生では2人に1人でした。

利用内容はどの年齢も「動画を見る」が最多。次いで「検索する」「ゲームをする」「投稿やメッセージ交換をする」「勉強する」などが続きます。

■日々のストレス、やめられない仕掛けが背景に

なぜネットやゲームに熱中してしまうのか。藤牧さんは「ストレスが多く充足感を得られにくい社会が背景にある」と指摘します。「毎日忙しくて気が休まらない」「人間関係に悩んでいる」「将来が不安」などの気持ちを紛らわそうと、ゲームやスマホに向かう気持ちは、大人も子どもも同じです。

また最近のゲームは、ネットにつながればどこでもいつでも楽しめて、内容も次々とアップデートされ半永久的に楽しめます。さらにレアアイテムがあったり、長時間プレイや課金によって貴重なアイテムが手に入るかもしれないガチャシステムがあったりし、なかなかやめられない仕組みになっています。

■「わかっちゃいるけどやめられない」のが依存症

では「ネット依存」や「スマホ依存」は、どのような病気なのでしょうか。藤牧さんは「依存症」という病気の特徴から解説します。

依存症とは、精神に作用する化学物質の摂取や、快感・高揚感を伴う行為を繰り返し行った結果、生活に何かしらの問題が生じているにも関わらず、その行為をやめたくてもやめられない状態になること。つまり「わかっちゃいるけどやめられなくなり、生活に支障が出てくること」と言います。

依存対象はさまざまです。「物への依存」で代表的なのがアルコールです。ゲームやギャンブルは「行為への依存」、過食・拒食も「行為への依存」となります。

■脳の機能低下が負のスパイラルに

依存行為によって快感や気分の高揚を得られるのは、脳内でドーパミンが放出されているためです。しかしこれが繰り返されると耐性ができ、これまで通りの行為では快楽を感じにくくなってしまい、さらに強い刺激を求め、より高い頻度で依存行為を求めるようになります。

さらに「依存行為をすることで快楽を感じる」ということが脳に刷り込まれてしまうことで、依存行為以外のことには興味がなくなり、結果として依存行為ばかりするようになります。脳の機能低下が、依存の負のスパイラルを引き起こしてしまうわけです。

藤牧さんは、依存症のサインとして「不眠などの昼夜逆転」「ネットやゲームに関して嘘をつく」「攻撃的な言動が見られる」などを上げ「サインに気付いたら①病院や保健所などに相談する➁家族でサポートする、この二つのうちできることからすぐに対応してほしい」とし話しています。

(まいどなニュース/コノコト)

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