勉強できない子は漫画も読まない!? 受験の偏差値との比例説が賛否両論「勉強より漫画優先した」「雑学は漫画から」
「ガチで勉強ができない子は、本を読まないだけでなく、マンガも読まない(読めない)」
X(旧Twitter)にて、あるユーザーの方(※匿名希望)がこのような持論を展開。さらに「マンガの読書量と受験の偏差値は比例すると予想している」とも語りました。
昔は「漫画を読むと馬鹿になる」などと言われたり、1950年代には“悪書追放運動”の標的になったりするなど、漫画はどちらかというと有害だと考えられていた時代もありました。
しかし、近年では漫画市場はどんどん拡大。紙媒体の漫画雑誌のほか、ウェブでの漫画配信サイトも多く立ち上がり、たくさんの漫画作品が発表されていますね。
そんな現代において、昔とは真逆の説を唱えた投稿者の方。この新説に、リプ欄では賛否両論まじえさまざまな意見が飛び交っています。
■読解力や集中力も養える 漫画には頭がよくなる要素がいっぱい?
投稿者の説に肯定的な人は、なぜそのように感じられたのでしょうか?
「自分はマンガめっちゃ読んでましたけど国語は偏差値64ありました」
「(医師をしている弟について)結婚してるのに漫画数千冊ある」
「大学生の頃に『漫画何好き?』って聞いたら『漫画は字が書いてるから読んでないです』って勉強苦手な子いました」
まず、漫画好きな方が学校の成績がよかったり、後に医師や弁護士など資格の必要な職業に就いたといった話、逆に勉強が苦手で漫画も読まなかった人についての話が寄せられていました。
これらの意見をみると、確かに漫画の読書量と頭の良さには相関関係があるように思えます。
しかし、なぜそんなことがいえるのでしょうか?リプ欄には、それを裏付けるような指摘も多数ありました。
「(漫画の)読み方そのものがわからない人ってガチでいるんだよなぁ…」
「たしかにマンガも集中力恐ろしく使いますよね…」
「読解力って色々なところで必要ですよね。漫画を読むにも読解力はいる」
「マンガには様々なジャンルがあるため自分に合った作品を選んで読むことができます。それによって、自分の興味を持ったテーマについて学ぶことができ学習意欲が高まることでしょう」
「言われてみれば後年身につけた雑学はほとん漫画からだ」
漫画にはコマの順番やセリフの流れなど読み方にルールがあり、それを理解できないことには読み進めることはできません。また、緻密で伏線を張り巡らせたストーリーが展開されるなど、理解するのにそれなりの読解力や集中力が必要とされることもあります。さらには、医療・起業・歴史など、専門的なジャンルをテーマにしており、何かを学ぶきっかけになるような作品も存在します。
つまり、漫画のなかには読み手の頭脳が必要とされる作品もあり、故にそのような漫画を楽しめる人は勉強の成績も良い傾向がある、という説にはうなずける気もします。
■漫画好きでも成績が良いとは限らない
上に紹介した通り、漫画に対しての肯定的な意見は多数寄せられていました。しかし、逆に否定的な見解を示す方もいます。
「『マンガの読書量』”のみ”と『受験の偏差値は比例』しない」
「(たくさんの漫画作品を読んできたものの)受験の偏差値は低かった。勉強より漫画読むのを優先しちゃってた」
漫画をたくさん読むだけでは、勉強は得意にはならないという声。確かに、あくまでも漫画は娯楽。学校の勉強を疎かにしては、成績は良くなるはずもありません。
さらに続いて、このような指摘をする方もいました。
「漫画ばかりであまり本を読まない人は総じて想像力が低い人が多い」
「『空いっぱいの魚』という文字で本を読む子とマンガ読む子には言葉から想像するイメージで違いがでます。そしてそれは偏差値の差にもつながっていきます」
絵という形で視覚的な情報を先に提供してしまう漫画。活字の本に比べて、読み手の想像力がはたらきづらいというデメリットはあるかもしれません。そして、想像力の育成は、勉学の出来不出来や後の社会人生活にも影響することでしょう。
やはり、漫画ばかりを読んでいて良いわけではなく、小説などの活字の本も読んだり、きちんと勉強にも取り組んだりすることも大切だというのは間違いないようです。
■読む漫画作品にもよる?
以上のように、リプ欄では漫画に対して肯定的な声が多いなか相反する指摘もあり、意見は賛否両論に分かれました。
そんななか、読む漫画の内容によっても変わるのでは、という声も寄せられています。
「偏差値が低い人はコロコロ系やサンデー系のマンガは読めても、勉強になる系のマンガを読めない(楽しめない)のはあるあるだと思います」
「周りにもいたな。ギャグシーンや戦闘シーンなど表面上のわかりやすい単純な情報は見るけどストーリーの流れや伏線は理解できないって感じ」
ひとくちに漫画といっても、子供向けの分かりやすいものから、大人向けで複雑なものまで、さまざまな作品があります。また、同じ作品上でも分かりやすい場面、複雑な場面があります。普段からどのような作品を読んでいるかも、ポイントになるのかもしれません。
その点で筆者が印象に残っている作品に、『じゃりン子チエ』(はるき悦巳・作)があります。登場人物たちのテンポの良いしゃべりやギャグが魅力の作品ですが、当時の町の在り様や登場人物の心を機敏を読み取るためにかなりの集中力が必要で、まるで落語を聴いているような感覚になりました。また『クレヨンしんちゃん』(臼井儀人・作)も、制作当時の時事ネタが登場したり、少ないページ数でストーリーが展開するため1コマに描かれる情報量が多く、読み進めるのに相応の理解力が必要だったことを思い出します。
リプ欄にも多くの漫画作品が挙げられていました。
『火の鳥』、『ブラックジャック』、『スラムダンク』、『HUNTER×HUNTER』、『DEATH NOTE』、『キングダム』、『もやしもん』、『はたらく細胞』、『スタンドUPスタート』など。深いメッセージ性や登場人物の心の動きが描かれていたり、目まぐるしくストーリーが展開する作品、医学や起業など専門性の高いテーマを扱う作品が多いのが特徴でした。
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以上、「漫画の読書量と受験の偏差値は比例する」というテーマについて、さまざまな人の見解をまじえて考えてみました。
「漫画を読むと馬鹿になる」とされたのは遠い昔であり、今は勉強ができる(できた)という人たちのなかにも、漫画好きな方は多い時代です。
しかしながら、漫画ばかり読んでいても良いわけではなく、活字にも触れたり、きちんと勉強をすることも大切なのは間違いないようですね。
何事も、「程よく付き合うこと」が肝要です。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・竹中 友一(RinToris))