一戸建て修繕の費用はどれくらいかかる?…平均築年数38年では600万円強 修繕場所は「外壁」が最多に
一戸建てに長年住んでいると、設備などを修繕する必要が出てきます。実際のところ、どれくらいの費用がかかるのでしょうか。新築一戸建てを購入し、そこに30年以上住んでいる全国の50歳以上の337人に聞いたところ、一戸建て修繕にかかった費用は平均615.1万円だったことが分かりました。また、最も修繕を行ったことがある場所は「外壁」でした。
不動産情報サービスのアットホーム株式会社(東京都大田区)が「『一戸建て修繕』の実態調査2023」と題して2023年7月に実施した調査です。
最初に、「これまでに住宅修繕にかけた合計費用」を聞いてみると、平均が「615.1万円」(築年数平均38.0年)でした。これを建物構造別でみると、木造が平均628.8万円、鉄筋・鉄骨造が582.4万円という結果となりました。
次に、「修繕を行ったことがある場所」を聞いたところ、1位は修繕回数平均1.7回の「外壁」(79.2%)で、修繕費の合計は平均138.3万円でした。次いで2位は、修繕回数平均1.4回の「トイレ」(75.4%)で、修繕費の合計は平均35.5万円となり、さらに「屋根」(73.6%)、「給湯器」(73.0%)と続きました。修繕経験者からは、「屋根部分の経年劣化の進み方が早く修繕費が結構かかった」「給湯器の耐用年数は考慮した方が良い」などのコメントが寄せられました。
続いて、「自宅の修繕費を毎月積み立てていますか」と聞いたところは、「はい」と答えた人は8.9%でした。そこで、「積み立てていない」と回答した307人に、「修繕費にあてた(あてる予定の)項目」を聞いたところ、「貯金」が69.1%で最も多く、「退職金」(15.3%)、「保険金(火災保険など)」(8.5%)と続きました。修繕経験者からは「100万単位のお金がかかるので、余裕のあるお金は積み立てに回しておいたほうが良い」といった意見が挙がりました。
さらに、「省エネやエコを意識して、自宅のリフォームをしたことがありますか」と聞いたところ、41.5%の人が「ある」と回答。そこで、具体的な場所を複数回答で答えてもらったところ、「給湯器」(51.4%)、「窓」(33.6%)、「お風呂」(31.4%)などが上位に挙がりました。修繕経験者からは「二重窓は、省エネだけでなく遮音性も向上した」「光熱費が格段に安くなった」などのコメントが寄せられました。
また、「自宅の耐震補強工事を行ったことがありますか」と聞いたところ、8.0%の人が「ある」と回答。そこで、具体的な場所を複数回答で答えてもらったところ、「外壁」(48.1%)、「屋根」(33.3%)、「床」(25.9%)といった場所がトップ3となりました。
続いて、「自宅を修繕する際に、不動産会社や施工会社に見積もり依頼しましたか」と聞いたところ、61.1%の人が「依頼した」と回答。なお、「見積もりを依頼した会社数」は平均1.7社という結果でした。
最後に、「工事を依頼した会社を選んだ理由・決め手」を複数回答で答えてもらったところ、「担当者の提案が良かったから」・「知人からの紹介があったから」(同率27.3%)が1位だったほか、「工事の実績が豊富だったから」(25.5%)、「担当者の知識が豊富だったから」(22.3%)、「購入時にやり取りした会社だったから」(19.3%)、「担当者の対応にスピード感があったから」(16.3%)といった回答が上位に挙がりました。
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