「あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退」!? 紙の地図ならではの衝撃的な記述が気になりすぎる トンネルはその後どうなった?
徒歩でも車でもナビが道案内してくれるので紙の地図を見る機会がめっきり少なくなりました。しかし、独自の表記で注目されている紙の地図もあるそうです。
Evergreen(@Evergreenit)さんはXに紙の地図の画像を投稿しました。
「マップ系の記述で一番好きだったのはこれ。『あまりの崩落の激しさに日本のトンネル技術が敗退』」
「日本のトンネル技術が敗退」という衝撃的な言葉ですが、その後、トンネルはどうなったのでしょうか。
Evergreenさんにお話を聞きました。
ーー地図がお好きなんですか。
「仕事で地図を見ることはありませんが、旅行が好きで、車で効率的に観光地を回ることを考える時によく紙地図を使います。この画像はマックスマップル2017年版からの切り抜きですが、2018年版ではトンネルが開通したため記述が変わっています」
ーーインパクトのある文章ですね。
「この一文は短いながらも『崩落の激しさ』と『日本のトンネル技術の凄さ』がお互いに強調し合い、いずれにも最大限の賛辞を送った表現になっています。このコンパクトな一文の中に、多くの背景事情を想像することができます。『崩落が激しく国道未通』くらいですと、どれくらい崩落が激しいのか(単に予算の都合で国道開通を諦めただけかもしれない)想像することができませんし、日本のトンネル技術の凄さもわかりません。この一文では、『おおよそ想像できる崩落の激しさ程度はモノともしないくらい日本のトンネル技術は凄い』『青崩峠はその凄いトンネル技術をもってしても開通できないほど崩落が激しい』ということが想像できます」
ーーだいぶ古いトンネルだったのでしょうか。
「三遠南信自動車道の計画は40年前からあったようですが、青崩峠を突破するトンネルを掘ることができず、東の兵越峠下へ迂回する計画となり、草木トンネルが1992年に開通しています。しかしこちらも草木トンネルの先の兵越峠下の地盤が非常に脆弱なことが判明し、三遠南信自動車道が繋がるところまでには至っていません。トンネル工事が再開された2018年からは『周辺では三遠南信道のトンネル工事が再開』に記述が変わっています。まだ開通はしておりませんが、今年貫通したので来年以降どう表現が変わるのか楽しみです」
オンラインの地図がアップデートされてもあまり目に留めることもありませんが、紙の地図はアップデートされるたびに一つ一つの歴史が刻まれているのですね。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)