「まだ水で洗ってるの?」キノコを洗うとおいしさダウン【メーカーと料理研究家に聞いた】

 マイタケは揚げると鶏の唐揚げのようになり、焼いて味噌汁に入れるとおいしいーーこんなレシピがSNSで話題です。そういえばマイタケの正しい洗い方って。SNSでは「マイタケ洗うかいつも悩む」「私は洗うなあ」「スーパーで買ったやつは洗わないでしょ」「洗う手間なしだから便利ですよ」などの声が。キノコ生産大手や料理研究家の見解は。

■雪国まいたけ「洗わずにご使用いただけます」

 キノコ生産販売の「雪国まいたけ」(新潟県南魚沼市)。同社のサイトを見ると「洗わずにご使用いただけます」。

 同社によると、衛生管理に気をつけた施設で、農薬を使わず栽培しているため、洗わずにそのまま使用できるそう。むしろ洗うことで水っぽくなったり、栄養成分が溶け出しやすくなったりすることも。「施設栽培で衛生管理も気を付けておりますので、安心してお使いください」(同社)。

 最近は水洗い不要の便利なカット野菜が出回っていますが、市販されているマイタケも開封後はそのまま使えることが分かりました。

 ちなみにキノコは生鮮野菜と同じように賞味期限や消費期限を表示する規定がありません。同社では購入後は冷蔵庫で保存し「できるだけ早めにお召し上がりください」。また、冷凍保存も可能だそうで「食べやすい大きさに切ってから、保存用の袋などに入れて冷凍し、1ヵ月ほどを目安にお使いください。使うときは、解凍せずに凍っままシチューやカレーなどの汁物に使うのがおすすめです」。

■料理研究家「きのこは洗ってはいけません」

 マイタケ以外のシイタケやエリンギなども洗う必要はないのでしょうか。

 「はっきり言わせていただきます。きのこは洗ってはいけません!!!!!」。こうレクチャーするのは、家庭料理研究家の奥薗壽子さん。

 奥薗さんは2021年9月、自身の公式サイト「奥薗壽子のなべかまペえじ」の中で、市販のキノコを洗う人はかなり多いとした上で、「洗わなくてもいい、っていうんじゃなくて洗ってはいけないと私は思っています。」ときっぱり。そこには料理研究家だからこその知識と経験がありました。

 「なぜなら、水を吸って香りも味もぼやけてしまい美味しさが半減するからね。洗わずに食べるって汚くないのですか?って聞かれるんだけれど大丈夫です。私、きのこの栽培されているところ何回も見学させてもらった事があります。まるで、何かの研究室みたいに部屋の中に棚があって、そこに、栽培中のきのこがバーッと並べられていて (一つ一つポットに入っている) その部屋は、温度、湿度が自動制御されていて、空調もばっちり。本当にクリーンな環境で育てられています。そんな環境なので、ごみもないしもちろん、農薬とかも一切まかないから本当に、清潔なんですよ、きのこって」(奥薗壽子さん)

 それでも汚れが気になったり、洗いたいと思う人に向けては、「濡らして固く絞ったペーパーで汚れをふいてくださいませ。」とアドバイスしました。

■レシピ検索サイトや企業サイトでも

 料理レシピ検索サイトや企業の公式サイトでも同様の説明を行なっています。

 「きのこ類は水洗いすると旨み・風味が逃げてしまうため、ふきんやペーパータオルで軽くふく程度にするのが基本。きのこの種類によっては生産段階で付着するオガクズなどが残っている場合があり、気になるときには料理の直前にさっと流水で洗います」(クックパッド公式サイト内「料理の基本」より)

 「一般的なお店で買えるきのこの多くは、屋内の衛生的な環境で無農薬栽培されたきれいなものなので、洗う必要はありません」「えのきたけなどは人工栽培でも根元におがくずなどがついていることがあります。切り落としても残っているものが気になる場合は、調理直前に流水でさっと洗ってください」「ちなみに天然きのこの場合は、大きなごみを取り除いた後、塩水に3~4時間さらして虫を取り除くなどの下処理が必要な場合もあります」(キッコーマン公式サイト内「ホームクッキング通信」より)…など。

     ◇

 今回紹介したのは市販のキノコに限っての話。野生のキノコの中には毒キノコもあり、厚生労働省などでも毎年、「毒キノコによる食中毒に注意しましょう」と呼びかけています。「食用と確実に判断できないキノコは、絶対に採らない、食べない、売らない、人にあげないようにしましょう」(厚生労働省)

(まいどなニュース・金井 かおる)

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