孤独死を防ぐ! 一人暮らしの住民が倒れたら…大家が早期発見する方法が話題 今できる対策は?
高齢者の一人暮らしが、今後ますます増えていくことが予想されます。そこで心配されるのが、孤独死です。家の中で倒れても誰にも気がついてもらえず、そのまま亡くなって何日も経ってしまうことがないようにするアイデアが、Xに投稿されて話題になりました。
お年寄りには毎朝、管理室に電話をしてもらうという方法で早期発見につなげたという事例を受けて、大家だった父親の対策を紹介したのは「DEMP@HOLIC/SOSUKE.(@DEMPAHOLIC)」さんです。
「うちでは、入居される方には大家のうちが支払うという条件で『ヤクルト』を取らせてたなぁ…それで、毎日入居者の方に取り込むようお願いして、無くなってなかったらノックして確認する、みたいなシステムにしてたかも…ヤクルト代くらい、中で倒れられるのに比べればよっぽど安いから、と…」
この方法は14~15年前にしていたそうで、「都内の高齢者の孤独死がぽつぽつと報告されてた時期で、何かいい方法はないかと父は考え続けてました。ただ、自営業で他に仕事を持っていたため四六時中家にいるわけではなく、かといってお金をかけるわけにもいかず…で思いついた方法でした。思いついた当初は『これなら設備投資も不要で簡単に導入できるので、高齢の単身入居者にはヤクルトを取ることを政府が義務付ければいいのに』と冗談混じりで言ってました」とDEMP@HOLICさん。
「それは面白いアイデアですね」などとコメントが集まりましたが、現在ヤクルトの配達は週に1回が基本になっているので、この方法では毎日の確認はできなくなっています。
「ポストされた内容から、父がしていたことで簡単に確認ができると思ってポストしました。が、現状ヤクルトが毎日届けられるシステムでないならばお話が違ってきますし、そこまでヤクルトさんに責任を負わせられないですよね」(DEMP@HOLICさん)
全国にある販売会社のうち「神戸ヤクルト販売」の広報担当者さんに確認してみたところ、やはり週に1度の配達が基本だそう。ただし、神戸市と「協力事業者による高齢者見守り事業」の協定を結んでおり、配達中に異変を発見した場合は「あんしんすこやかセンター」に連絡することになっています。
セキュリティー会社の高齢者見守りサービスは、離れて暮らす両親を家族が見守るという設定が多く、大家さんが居住者を見守れるというサービスはなかなかありません。また、たとえばポットを使うと連絡がいくなどの方法では、他人である大家さんに生活をのぞき見られるような気持ちになってしまい、家族でないと設置に同意されないことも多いと考えられます。
そのため、大家さんが孤独死に備える保険がありますが、保険に入っていてもできるだけ早く発見することが大切になります。もしかしたら、発見してすぐに救急車を呼べば助かるかもしれませんし、亡くなっていても2日程度で見つけられれば、特殊清掃なども少なく済む可能性があります。
■クロネコにあった!大家さんと居住者間で利用できるサービス
調べてみると、大家さんと居住者間で利用できるサービスがありました。ヤマト運輸のサービスで「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」(月額1078円)です。こちらは、居住者が生活で必ず使用する場所の電球を専用電球に交換するというものです(電球代・初期費用無料、工事・ネット環境不要)。
1日単位で電球のオンオフに異常が確認されると、大家さんにメールが送られます。大家さんはメールを受けて直接訪問することもできますし、すぐに駆けつけられない場合はヤマト運輸のスタッフに代理訪問を依頼することもできるそう。(ただし、サービスが利用できない地域があります)
離れて暮らす家族をメインにしたサービスですが、「居住者の同意があれば、大家さんが契約者や通知先となり居住者宅に電球を設置することが可能」です(知人・友人も同意があれば契約可能です)。
また、電球の取り付けはヤマト運輸のスタッフさんがしてくれますから、居住者の方もお願いしやすいかもしれませんね。
ヤマト運輸はこのサービスを始めた想いについて、
「近年、独居高齢者の増加や地域コミュニティの希薄化など、高齢者の孤立が社会問題化する一方で、見守る側のご家族や自治体においても高齢化や人材不足も顕著になっており、持続可能な見守りの仕組みづくりが必要です。これらの社会課題解決に貢献したいと考え、ヤマト運輸が持つ全国ネットワークなどの経営資源とIoT電球『ハローライト』を組み合わせたサービス『クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン』の提供を開始しました」
としています。
■ヤマト運輸「クロネコ見守りサービス ハローライト訪問プラン」
■DEMP@HOLICさんより
東京都新宿区早稲田の茶箱さんという音楽バーで、毎月第2金曜日の19時~23時、「DEMP@HOLIC(デンパホリック)」という音楽イベントを主催しており、DJもしております。今年で18年目を迎えますが、ホラー/SF/ファンタジーを軸に「非日常的な楽曲」を集めてプレイしているため、アニメソング、ゲーム音楽、ワールドミュージック、民族音楽、テクノ…などなど雑多なジャンルがプレイされます。気になる方がいらっしゃれば、覗きに来ていただけると幸いです。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・太田 浩子)