保護団体ボランティアの自宅庭に現れた迷い猫 人慣れして甘えん坊で去勢手術済み 「あなたの飼い主さんはどこ?」
千葉県我孫子市を拠点に猫のTNRや保護活動を行う団体・ねこ友会。同団体の預かりボランティアさんの自宅庭に2023年6月、1頭の茶トラの迷い猫が現れました。体は汚れておらず、人懐っこく自分からすり寄ってきてゴロゴロ。美しい表情から当初は「女の子だろう」と思いましたが、よく見ると男の子でした。
■元飼い猫で、なんらかの要因から迷い猫に
預かりスタッフさんはこの茶トラの迷い猫を保護することにしましたが、自宅には、他の保護猫たちも過ごしています。もしこの迷い猫に万一感染症などがあると大変なことになります。ひとまずはこの迷い猫を動物病院に連れて行くことにし、キャリーを出しました。すると、自らすんなりとキャリーの中に入っていく茶トラ。驚くほどおとなしくお利口さんのこの迷い猫を「ユメオ」と名付けました。
獣医師さんの診断の結果、推定年齢は4歳くらい。目も鼻も耳の中もキレイで問題なし。その他、感染症もなく健康にも特に問題がないとのことでした。
体重は3.8kgとやや細身。去勢手術を済ませており、どこかで飼われていたものの、なんらかの原因で外に出てしまい、迷子になってしまった可能性がありそうです。
■ユメオにはマイクロチップがなかった
マイクロチップが入っていたら、飼い主の情報がわかるはずです。しかし、ユメオにはマイクロチップがなく、飼い主の情報を得ることはできませんでした。こんなに温厚で優しいユメオ、いったいどんな経緯からも飼い主と離ればなれになってしまったのでしょうか。
ねこ友会では、地道に飼い主を捜索しつつ、もし飼い主に結びつかなければ、新しい里親希望者さんを探し、第2の猫生へと繋いであげるようにていくことも視野に入れ、お世話をし続けることにしました。
■いつもゴキゲンで、環境にもすぐ馴れるお利口ぶり
大好きであったであろう飼い主と離れ離れとなり、ひとりぼっちで彷徨っていた時間を思うと、胸を痛める預かりボランティアさんでした。しかし、幸いにも当のユメオにはやつれた感じがなく、常にご機嫌な様子でした。
預かりスタッフさんの家ではすぐに生活に馴染み、家族全員に体をスリスリして甘え、抱っこしてもらうとうれしそうな表情を浮かべました。このことから、預かりスタッフさんの家だけでなく、ねこ友会の会員さんにも大人気となりました。
一方、元飼い主の捜索は一定期間を過ぎても手がかりが見つからず難航しました。このことからユメオは新しい家庭での生活を目指し、ねこ友会が主催する譲渡会に参加させることにしました。
程なくして優しい里親希望者さんとのマッチングを果たし、現在は幸せな猫生をおくっているとのことです。一時は迷い猫としてひとりぼっちで彷徨っていたユメオですが、これからずっと幸せで安心できる環境で過ごしてくれることを願うばかりです。
ねこ友会
https://nekotomokai.amebaownd.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)