【退職代行】認知度は約7割も、実際の利用者は2% 「自分で会社に言うべき」「会社や同僚に失礼」などの声

エン・ジャパン株式会社(東京都新宿区)は、同社が運営する総合求人サイト『エン転職』にて「退職代行実態調査」の結果を発表しました。調査によると、約9割の人が「退職代行サービスを利用したことがない」と回答しました。また、利用しない理由としては「退職意向は自分で会社に言うべきだから」が最も多くなったそうです。

調査は同サイトユーザーの男女7749人を対象として、2023年8月~9月の期間にインターネットで実施されました。

調査によると、「退職代行というサービスを知っている」と答えた人は72%。年代別では、40代以上の認知度が64%に対し、20代は83%と19ptの差がありました。

さらに、「退職代行サービスを利用したことがありますか」と聞いたところ、「利用したことがある」と答えた人は2%、「利用したことはない」と答えた人は93%となりました。

そこで、「退職代行サービスを利用したことはない」と答えた人に対して、その理由を複数回答で答えてもらったところ、「退職意向は自分で会社に言うべきだと思うから」(44%)、「金銭的な負担があるから」(26%)、「お世話になった会社や同僚に失礼だから」(24%)といった回答が上位に並びました。

一方、「退職代行サービスを利用したことがある」人の理由としては、「退職を言い出しにくかったから」(50%)が最多となり、特に20代(57%)の回答が目立ちました。次点は「すぐに退職したかったから」(44%)で、30代(52%)と40代以上(45%)で多くなっています。

「退職代行サービスを利用したことがある」と答えた人からは、「退職したい意思を認めてもらえないような気がしたので、退職代行を使った(24歳男性)、「連日の残業で体調を崩し、精神的にも不安定だったので利用した」(27歳男性)、「何度も退職希望について伝えたが辞めさせてもらえず、やむを得ず代行を使った」(32歳女性)といった声が寄せられました。

他方、「知人や同僚が利用した」(5%)と答えた人からは、「代行サービスで退職する社員が増えたため、”退職代行を使用した退職は認めません”と社内でアナウンスがされるようになった」(26歳女性)、「同僚が利用し、会社側が頭を抱えてしまっていた。本人と直接会話ができないため、何が問題だったかが分からず、改善できずにいるように見えた」(27歳男性)といった声が寄せられています。

さらに、「どのような環境や条件があれば、退職代行を利用しなかったと思いますか」と聞いたところ、「上司が話しやすい」(60%)、「職場の人間関係がよい」(56%)、「退職意向をきちんと認めてくれる風土がある」(42%)といった回答が上位を占めました。

また、「今後の退職代行の利用意向」については、「今後、使いたいとは思わない」が31%に対して、「今後、状況によっては使うかもしれない」が42%となりました。

「今後、使いたいとは思わない」と答えた人からは、「お世話になった人に感謝を述べて退職したほうが幸福度は高くなり、次の仕事に向けてのメリハリにもつながると思う」(27歳女性)、「本当に辞めたいと思うなら、自分の言葉で退職意向を伝えたほうが自分にとっても会社にとっても納得のいく方向になると思う」(28歳女性)、「精神的・肉体的な理由がない限りは自分で退職を伝えるべき」(31歳女性)といった意見が集まりました。

一方、「今後、状況によっては使うかもしれない」と答えた人からは、「自分の精神が拒否してしまったものに対して無理に立ち向かわなくていいと思う」(27歳男性)、「パワハラなどで辞めさせてもらえないなど、自分1人では解決できない場合は利用するかもしれない」(28歳女性)、「退職させまいと、様々な嫌がらせや手続きを複雑にしたりする企業もある。手間と時間をお金で買うと思えば、退職代行サービスも前向きに使える」(28歳男性)などの意見が寄せられたそうです。

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