「かっこいいホワイトな外観が…」岐阜県で約4000万円の注文住宅を建てた夫婦 夢の住まいに、思わぬ落とし穴

現在家を所有していない多くの方が、将来注文住宅を建ててみたいと思っているのではないでしょうか。注文住宅も現在多くのメーカーがあり、地元の工務店などでも建てる事ができます。しかし、こだわり抜いたはずの注文住宅も、いざ住み始めてみると困ったところが出てきたりするようです。

■夢の注文住宅

Tさん(岐阜県在住、20代、公務員)は、夫(20代、工場勤務)と二人暮らしで、平日は市役所の職員として働いています。

昨年、結婚を機に一緒に住むことになりアパートという選択も考えましたが、希望のエリアに良いアパートがなく困っていたところ、不動産の方に、田舎ということもあり比較的安く土地が購入できるので、注文住宅はどうかと提案されました。

最初は注文住宅なんて考えてもいなかったのですが、提案を受けたのでハウスメーカーに話を聞いてみる事にしました。

後日住宅展示場に行ってみるととても綺麗で、立派な家が立ち並んでおりとても感動しました。内装もアパートとは比べものにならないくらい素敵で、充実した設備を見学しました。ハウスメーカーの営業担当の方と話していると、マイホームを建てても、月々の支払いは14万円程になるということがわかりました。毎月のローンとしては重たいと思ったのですが、一戸建てをいずれ建てたいとは思っていました。現在夫婦共働きで、許容範囲内の支払いではあったので、検討してみる事にしました。

■地元の工務店との出会い

一戸建てを検討している事を友人に相談すると、その友人は大手ハウスメーカーではなく、地元の工務店で建てたと聞きました。友人も最初は大手ハウスメーカーで建てる予定だったところ、地元の工務店がイベントをやっていることをSNSで知り、実際に話を聞きに行ったそうです。そこの工務店はハウスメーカーと違いアットホームな感じがあり、家に関するこだわりもハウスメーカーにはない魅力を感じたとの事でした。

そういった話を聞いたので、自分でも家を建てるところに近い工務店に話を聞きに行く事にしました。そこの工務店は天然木の床を入れたり、扉や家具までもオーダーで作れるという事でした。営業担当者から設計士までとても親身に相談に乗ってくれた事もあり、そこで家を建てようと決めました。

そこからの打ち合わせはとても楽しく、自分の家の細かいところまでこだわる事ができ、設備もメーカーのショールームまで足を運び実際に見て決めました。

土地代は750万円でしたが、住宅費用は4000万ほどかかることに。その分とても満足する仕上がりになり、無事新居に引っ越す事ができました。

■夢の注文住宅に思わぬ落とし穴が…

新しい生活が始まって2カ月程経った頃、リビングでくつろいでいるとデザインにこだわった壁紙の一部が膨らんだり少し剥がれたりしていることに気付きました。

「こんなのもともとあったっけ…?」

まだ住み始めて2カ月だし、この辺りに何かぶつけた記憶もないし、「こんなに早く壁紙って悪くなってしまうのか?」と不安になりました。

また、同じ頃庭の掃除をしていたら、換気扇のフードの辺りの外壁がうっすら汚れていることに気が付きました。

「こんなに早く汚れるものなの…?」

ホワイト系の外壁を選んでしまったこともあり、見れば見るほど気になります。何とかしてもらえないかと営業担当者に連絡してみることにしました。

担当者の答えはこうでした。

「壁紙は施工不良の可能性があるため、補修または貼り替えの対応をします」

「換気扇フード辺りについては汚れてしまうものですので、仕方がないところになります」

確かにデザイン性は重視しながら仕様選びをしましたが、こんなにも早く汚れが目立つなんて想像もしませんでした。外壁なんて掃除するのも大変だし、せっかくのかっこいい外観が台無しです。

   ◇   ◇

今回のような失敗をしないために気を付ける点はどこだったのでしょうか? アルファホーム名古屋株式会社のマンションコーディネーターで、注文住宅の提案もしている川本麻登さんにお聞きしました。

ーークロスなど内装材の不備はこんなにも早くでてしまうものでしょうか?

クロスの不備は社内検査やお施主様検査のときもご指摘いただきやすい内容にはなります。広い範囲の施工になるためチェックの見落としがあったのかもしれませんね。クロスの不備は依頼したら補修してもらえることがほとんどだと思うので、今回のように一度相談してみると良いと思います。

ーー換気扇フード辺りの外壁の汚れはどうにもならないのでしょうか?

換気扇フード辺りは確かに汚れやすい場所にはなります。また外壁の素材によっても汚れの付きやすさは変わるため、汚れが落ちやすい外壁材を選ぶともちが良くなると思います。

機能よりデザイン性を選ぶなら、せめて換気扇フードを目立ちにくい場所に設置するよう計画したり、汚れの目立たない外壁の色をチョイスするなど工夫をするとよいかもしれませんね。

◆川本麻登(かわもと・あさと)アルファホーム名古屋株式会社・マンションコーディネーター

(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)

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