「犬は無事です!」映画のネタバレ告知に犬好きが歓喜 『SISU/シス 不死身の男』宣伝担当に聞いた
フィクションだとしても、アニメや漫画でも、犬好きの多くは「犬がひどい目にあう作品」が苦手…。そんな犬好きたちを安心、歓喜させているのが、現在公開中の映画『SISU/シス 不死身の男』です。
映画『SISU/シス 不死身の男』は、第二次世界大戦末期、ナチス・ドイツに国土を焼きつくされたフィンランドを舞台に、ナチスの戦車隊にツルハシ1本で挑む老兵、アアタミ・コルピ(ヨルマ・トンミラ)の「不死身」ぶりを描いたアクション物語。
そんな今作では、「アクション映画の掟」を覆すネタバレ上等のプロモーションを展開。主人公と共に戦うもふもふの相棒犬、ウッコについて、「犬は無事です」というキャッチコピーを掲げ、犬の無事を宣言する予告動画を公開。「犬が死ぬなら観に行きたくない…」という、犬好き/動物好きを歓喜させています。
■「犬は無事…でもハラハラドキドキ」「馬ァー!」
「犬は無事ですって聞いたのでSISU見てきた」
「主人公死なない!犬も無事!」
「犬は無事とわかっていてもハラハラドキドキ」
「犬が可愛過ぎて、でも危険なシーンいっぱいで、無事を知らなかったら気になってストーリー追えなかった」
「犬は死にません、犬は」
「犬かわいい。馬ァー!」
X(旧Twitter)にも多くの反響が投稿されていた今作は、フィンランド映画としては最大規模の予算で製作されたアクション映画。「舐めてたクソジジイが伝説のクソ強ジジイだったやつみんな好きだよな」といった、アクション好きからの絶賛コメントも見受けられました。
ただし、「ものすごく血が流れる」「結構グロい」という反応もあったように、無事が保証されているのは「犬」だけ。最後まで気が抜けない作品なのです。
そんな映画『SISU/シス 不死身の男』の「犬は無事です」PRについて、配給会社「ハピネットファントム・スタジオ」宣伝プロデューサー、井辺清歌さんにお話を聞きました。
■相棒犬は、主人公俳優の本当の「愛犬」
ーーなぜ「犬は無事です」というプロモーションを?
「本作のプロモーションを進めるなかで、『俺に死んでる暇はない!死なない連発動画』や『過激版予告』『呂布カルマさんによるラップで紹介』『ガールズ&パンツァーとのコラボポスター』などを解禁していきましたが、公開が近づくにつれ、『犬の安否をどうしても確認したい』という映画好きの方々からの声がXに多数ポストされたため、それに応えたいと考えました」
ーー「犬は無事です」の予告動画やPR展開は日本だけですか?
「いいえ、もともと海外でプロモーション用の『犬は無事です』動画が作られていました。実は、相棒犬ウッコ役、ベドリントン・テリア犬のスーロは、主人公を演じたヨルマ・トンミラの本当の飼い犬なのですが、その情報を強調したのは日本だけです。そこで、海外版とはオチが異なる日本独自の予告動画を作りました。また本作は、愛犬スーロ以外にも、ヨルマ氏はヤルマリ・ヘランダー監督の義理の兄(※ヨルマ氏は、監督の実姉の夫)であり、ヨルマの息子もナチス兵役で出演していることから、“家族で作ったアクション映画”ということもアピールしています」
■敵役にもしっぽフリフリでNG連発→現場ほっこり
ーーウッコ役のスーロはどんなワンちゃんですか?
「2017年生まれの6歳で、性格は穏やかで人懐っこいそうです。俳優犬ではないため、ナチス兵役にもしっぽを振って駆け寄ってしまい、NGを連発したと聞いています。それでも、北極圏の凍てつく荒野で演じるスーロを、出演者とスタッフ全員が応援していました。ちなみに、飼い主であるヨルマ・トンミラとスーロは、撮影で使われたラップランドの近くで実際にキャンプをすることもあるそうです」
ーー本作は主人公アアタミと相棒犬ウッコのバディムービーとの声も多いですね。
「皆さんの意見に私も賛成です。ウッコは、不死身の男アアタミの“生きる理由の1つ”であり、彼の最大の弱点でもあると思います。主人公アアタミ・コルピは、死なないとはいえ、サイボーグではなく生身の人間。『自分の意志で死のうとしない』という、恐らく世界でいちばん意志が固い漢(おとこ)という設定ですが、ウッコを大切に想う姿には人間味を感じます」
ーー「犬が無事で良かった」「馬は無事じゃなかった…」という楽しい感想も多く寄せられていますね。
「犬も馬も大切なので、皆さんの感想に日々共感しています。ネタバレを含むため、すべてを宣伝で伝えられず申し訳ない、と思うこともありました。本作では、愛犬ウッコが地雷原を猛ダッシュするシーンも見所の1つ。死なないと分かっていても、ぜひ劇場でハラハラしながら楽しんで頂ければと思います」
■「死なない大喜利」を楽しんで
映画『SISU/シス 不死身の男』は、ツルハシ1本で無双する老兵ともふもふの愛犬が生き抜く迫力満点のアクション作品。
「初見よりもツッコミどころが分かった状態で観る2度目の方がアガる、という声もあります。主人公と相棒犬の“死なない大喜利”を、ぜひ劇場でツッコミを入れながら楽しんでください」(配給会社「ハピネットファントム・スタジオ」宣伝プロデューサー、井辺清歌さん)
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)