ミニトマト20個100円、ピーマン10個120円…京都の野菜直売所が激安な理由とは

 全国的に野菜の価格が高騰する中、京都府和束町白栖にある野菜の直売施設が「激安だ」と観光客らの間で話題になっている。一般的な価格よりも数割安く、約20個入りのミニトマトが100円で並ぶ日もある。どうしてこんなに安いのか。その理由を探った。

 今夏は記録的な猛暑で、野菜の生育不足が全国で起きた。農林水産省の価格動向調査によると、野菜の小売価格の全国平均(16~18日)は、キャベツなど八つの調査品目全てが平年よりも上昇した。中でも、ニンジンは平年の1・4倍、ネギは約1・5倍になった。

 そんな中、農産物や工芸品を販売する交流ステーション「和束の郷」内にある野菜の直売所では10月中旬、10個入りのピーマンが120円、通常の2倍ほどの量が入ったミズナが140円で並んだ。

 10本で110円の青ネギを購入した観光客の会社員女性(29)=大阪府交野市=は「こんな値段で売っているスーパーはない。安すぎる」と驚き、「茶畑を見に来てネギを買うとは思わなかった」と笑った。

 和束の郷は、町民でつくる任意団体「和束の郷協議会」が運営している。野菜は、町民や地元農家ら約100人が出品する。

 野菜が安価な理由について、店長の西村公一さん(37)は「出品者にもうける気があまりないため」と話す。出品者の多くは家庭菜園をしている人や野菜を作りすぎた農家で、「捨てるつもりだった野菜がお金になるだけで喜ぶ人もいる」。

 値段を決めるのは出品者で、ルールは100円未満にしないことだけ。野菜の値段や袋に入っている量は出品者や時期で異なるが、スーパーの値段よりも2~3割ほど安くなることが多いという。

 今年、和束の郷での野菜のの売上高は前年を上回っている。購入時に「家計の助けになる」と話す人や、三重や大阪から来て買って帰る観光客も増えた。

 売り場には出品者自身が並べに来る。西村さんは「お客さんが野菜を作っている人と話せる楽しさもある。近隣市町の人にも、日常の買い物で利用していただけたらうれしい」と話す。

 月曜休館。午前10時~午後5時。野菜は休日前の金、土曜の昼に多く並ぶ傾向がある。

(まいどなニュース/京都新聞)

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