会社のDX、デジタル化取り組んでる?「無関心、取り組みなし」が多数派 「キャリア目標なし」「学習習慣なし」も6割
株式会社グロービス(東京都千代田区)が提供する動画学習サービス『GLOBIS 学び放題』は、「社会人の学習実態や仕事」に関する調査を実施しました。調査によると、社会人の約6割が「学習習慣を持っていない」「キャリア目標がない」ことが判明し、「人事が学んでほしいこと」と「社員が感じている課題」との間の大きなギャップが明らかになったそうです。
調査は、全国の20~59歳の正社員(営業職、事務職など)1032人および人事担当者412人を対象として2023年4月にインターネットで実施した調査と、2022年3月~2023年2月の期間に取得した同サービス受講者約23万人のコース視聴データに基づいてまとめたといいます。
調査によると、社会人(1032人)の62%が「(業務外での)学習を行っていない」と回答。さらにアンケート内容と学習習慣の有無を分析した結果、学習習慣には「キャリア目標」「スキルに対する課題意識」「役職」「年収」が相関していた一方で、「キャリア目標がない」と答えた社会人が59%に上るなど、個々人が学習習慣を持つにあたっての難しさも明らかになりました。
次に、「学習内容」に関する意識について、人事担当者(412人)に「社員に学んでほしいこと」を聞いたところ、「部下とのコミュニケーション」「部下の育成・キャリアサポート」「チームマネジメント」などが上位に挙げられました。
その一方で、正社員全体(1032人)は、「Excel、Word、Power Point等での資料作成・分析」「論理的に分かりやすく考えをまとめる力」「上司とのコミュニケーション」などに課題を感じていることが分かりました。
他方、人事担当者が「若手/中堅社員に学んでほしいこと」では、「部下とのコミュニケーション」「論理的に分かりやすく考えをまとめる力」「自身のスケジュール・タスク管理、業務効率化」などが上位に挙げられました。
一方、若手/中堅社員(285人)は、「Excel、Word、Power Point等での資料作成・分析」「論理的に分かりやすく考えをまとめる力」「上司とのコミュニケーション」などに課題を感じていることが分かりました。
また、人事担当者が「ベテラン社員に学んでほしいこと」では、「部下とのコミュニケーション」「部下の育成・キャリアサポート」「自身のスケジュール・タスク管理、業務効率化」などが上位となった一方で、ベテラン社員(383人)は、「論理的に分かりやすく考えをまとめる力」「Excel、Word、Power Point等での資料作成・分析」「上司とのコミュニケーション」などに課題を感じていることが分かり、特に若手/中堅社員、あるいはベテラン社員と人事担当者の間に意識のズレが顕著に見られました。
さらに、「DX・デジタルリスキリング」に関する意識について、「所属企業や部署でDXやデジタル化への取り組み状況」を聞いたところ、「取り組んでいない」(32%)、「わからない、関係がない」(24%)を合わせると56%の正社員が「DXに対する関心がない」と回答しています。
また、人事担当者が「社員に学んでほしいデジタルスキル」としては、「DX・デジタル化の自社や自部門との関連性の理解」「デジタルコンプライアンスの基礎知識」「情報セキュリティの基礎知識」などが挙げられた一方で、社員が感じている課題は、「特にあてはまるものはない」「データ分析の専門知識やスキル」「DX・デジタル化について自身に必要なスキルの理解」など、ここでも人事担当者と社員との間にギャップがあることが明らかになりました。
◇ ◇
調査を実施した同サービスは、「多様な働き方が広がりつつある現在、キャリアのあり方は十人十色です。終身雇用・年功序列が”当たり前”ではなくなりつつある中、働く個人は自身の市場価値に無関心ではいられません。人材市場において人手不足・流動性が高まる中、その傾向はより顕著になっていると言えるでしょう」と説明。
さらに、「一方、テクノロジーの進化など環境変化に適応していくため、企業は組織の変革を実現できる人材の育成を急務としています。今回の調査結果は、こういった社会の状況を反映したものだと言えます」とも述べています。