【節約したつもりが…】1500万円の中古マンションを1700万円かけて「理想のリノベ」 いざ支払いが始まると…30代主婦に待ち受けていた“倹約生活”

最近住宅雑誌でもよく見かける中古マンションリノベは、綺麗にする前の中古マンションを安く購入して好きにリノベーションをして住宅購入の費用を抑えるというやり方ですが、楽しいマイホーム計画ではついついリノベーションをグレードアップさせて夢を見てしまいがちです。はじめのリノベーション計画や、全体の金額管理があまいと最終的に苦しい生活が待ち受けることに…

■マイホームを購入することに

1LDKの賃貸で夫婦と2歳の子どもの3人で暮らしていたMさん(愛知県在住、30代・専業主婦)。今後の子どもの成長を考え、手狭になった賃貸から引っ越しを検討することに。夫と話し合い、今後も家賃を支払い続けるのがもったいないことからマイホームを購入することにしました。

最初は憧れの注文住宅や新築マンションを中心にお家探しをしていました。ただMさんは運転が苦手なことから駅近は外せない条件でした。また、今後子どもが増える可能性を考えると3LDKは必要。駅近と広さを求めると注文住宅は5000万超え、新築マンションは3000万超えのものばかり…

都心部にある中小企業に勤める夫。収入的に新築マンションの価格ですらローンが組めるのか不安でした。話し合った結果「私たちの予算は2500万くらいかなぁ」と無理のない計画をすることになりました。

そんな条件からひとまず注文住宅は断念。マンションに絞ってお家探しをすることになりました。

■中古マンションリノベに憧れて中古マンションを購入することに

Mさんは高いお買い物だから知識をつけねばと住宅系の雑誌を購入。そこで「中古マンション+リノベーション」というワードに出会いました。綺麗にする前の中古のマンションを安く購入し、価格も内装も自分好みにリノベーションをしてお得に注文住宅のようなオリジナルのお家に住むという内容でした。

早速次の週末に中古マンションの内覧をするため、不動産屋さんへ行くことに。中古マンションはそのままでは住めないくらいボロボロの内装のものから、ある程度きれいで一部を好きな形にリフォームして住むこともできそうなものまでさまざまでした。

不動産屋さんにあれこれ紹介してもらううちに、都心部からは少し外れているけどアクセス性は良く、もともと検討していた3LDKより更に広い4LDKで予算で計画できそうな1500万円のマンションと出会いました。

3年前にキッチンのリフォームがしてあったため、家全体をリノベーションしなくても使えるところもあり、お得にリノベーションもできそうです。

夫婦一致でこの物件を購入することに決め、リノベーションの夢を膨らませました。この頃には借りれるローン金額もはっきりし、3500万までは借入できることがわかりました。

■リノベーション計画の結果、希望が詰まった部屋が出来上がった

購入する物件が決まり、次は不動産会社に紹介してもらったリノベーション会社との打合せ。毎週のようにショールームへ行ったり打ち合わせをしながらリノベーション計画を進めていきます。

少し新しくするくらいの最低限のリノベーションで済ませる予定が計画を進めていくうちに色々と要望が出ていきます。

Mさんのこだわりはウォークインクローゼットです。以前アパレルの仕事をしていたこともあり、作り込まれたウォークインクローゼットにお気に入りの服を収納するのが憧れが湧いてきました。

また床との距離が近い子どものために、賃貸のような冷たい床ではなく、LDKだけは暖かみのある無垢のフローリングを張りたいと考えていました。

計画を進めるうちに、ローンの上限が分かったこともあり、欲が出て既設のまま使う予定だったキッチンも最新の食洗機を搭載したものに取り替えることに。

あれもこれもと追加した結果、当初のリノベーション予算として考えていた500万円の3倍以上の1700万円に膨れ上がってしまいました。物件購入の金額と合わせても3200万円になり新築のマンションが購入できるくらいの見積もりが出来上がりました。

「少し予算オーバーしたかも?」と思ったKさんでしたが、ローンの上限金額が3500万円だったこともあり、それよりは安く収まったことに安堵して、工事をスタート。長かった物件購入からリノベーション、引っ越しまでがやっと完了して新しい生活がスタートしました。

無垢のフローリングは裸足で生活してもヒヤッとしないし、何より本物の木質感でお部屋全体が暖かみのある雰囲気になり、作り込まれたウォークインクローゼットはお気に入りの服におしゃれなスポットライトが当たり毎日の服選びが更に楽しくなりました。

キッチンの食洗機を含む住宅設備はこだわった甲斐があり、毎日の家事が楽でスムーズになり、Mさんは大満足です。

■日々の支払いの落とし穴…

幸せな生活がスタートしたかと思われたMさん。日々の支払いが始まり、驚きが待ち受けていました。

賃貸のころと同じ支払いと考えていた、10万円弱のローンの支払い。計画は緻密にしたつもりでしたが、ローンの支払いに加えて管理費積立金や駐車場代の支払い、便利な最新住宅設備によって以前より光熱費も増え、毎月の支払いだけで生活が苦しいことに。

よくよく考えたら合計3200万円の今回の計画は、初めに諦めた新築マンションも買えるような価格をかけており、中古マンション+リノベーションでお得にマイホーム計画をするつもりが真逆となってしまいました。

新生活は質素・倹約で乗り切らねばならず、後悔する結果になってしまいまいました。こだわりながら価格を抑えて計画することはできなかったのでしょうか。

■物件購入+リノベーションで注意すべき点

今回のような失敗をしないために気を付ける点はどこだったのでしょうか? アルファホーム名古屋株式会社のマンションコーディネーターで、リノベーションの提案もされる川本麻登さんにお聞きしました。

ーー金額設定やローンの計画に問題があったのでしょうか?

日々の支払いをベースに全体の金額を決めましょう。まず計画を始める際に必ず自分達の予算を把握して進めることが大事です。ローンの上限は目安であり、一番大事なのは日々の支払いプランです。毎月かかる費用を洗い出し、無理のないローン計画をする必要がありましたね。

ーーリノベーション計画ではついついグレードアップを選択してしまったようです

こだわりたいところをはっきりさせて、お金を使うところにメリハリをつけることが重要です。

リノベーション計画を始めるといろんなショールームへ行ったりして素敵な住宅設備をたくさん見学できます。また、1つ設備のグレードを上げても、ローンで考えたら月々の支払い金額はあまり変わらないため、打ち合わせの中でどんどんグレードアップしてしまうことも。「フローリングはこだわるけどキッチンは標準グレードくらいで」といった感じで、「こだわるところ」「標準でいくところ」をあらかじめ相談し、メリハリをつけることで「追加」「追加」のリノベーションにならないようにすることができます。

ーー不動産で必要な資金とリノベーションで必要な資金とが2社に渡るため、金額管理が難しかったようです

不動産からリノベーションまで一貫して対応してくれる会社に依頼すると便利です。最近「中古マンション+リノベーション」という言葉が流行っているように、それらを一貫して対応してくれる会社が増えております。そういったところで不動産からリノベーションまで予算も含めトータルコーディネートをしてもらうことで、常に全体の把握をプロにしてもらい、失敗を防ぐことができます。

(まいどなニュース特約・ヨシダ コウキ)

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