【奨学金】将来返還を要する「貸与型」が約8割 一方、「給付型奨学金を知らなかった」人が2割弱に
奨学金プラットフォーム『ガクシー』『ガクシーAgent』を運営する株式会社ガクシー(東京都港区)は、全国の18~69歳の男女1100人(学生と、学生の子を持つ保護者)を対象に「奨学金に関する実態調査2023年」を実施しました。その結果、現在奨学金を受給している学生・保護者のうち、将来返還を要する「貸与型」の奨学金を受給している人が約8割に上った一方で、民間奨学金団体からもらえる「給付型奨学金を知らなかった」と回答した人が2割弱いることが分かったそうです。
調査は2023年8月~9月にインターネットで実施されました。
まず、「受給した奨学金の内訳」を見ると、「貸与型」は79.2%、「給付型」が33.1%となっていました。さらに、「奨学金の種別」では、「JASSO(日本学生支援機構)の奨学金」(61.5%)が最も多く、中でも「JASSO貸与奨学金」(51.2%)、「JASSO給付奨学金」(20.6%)が上位を占めています。一方、「民間奨学金運営団体からの給付奨学金」は6.5%に留まり、奨学金受給者の多くが将来返還を要する貸与奨学金を受け取っていることが分かりました。
次に、「奨学金に対する印象」を複数回答で答えてもらったところ、「借金なので怖い」(48.4%)が最多となった一方で、「家計の負担を軽減できてうれしい」(27.8%)といった回答も見られ、近年の「奨学金の返済苦」などの報道の影響もあり、恩恵よりも貸与奨学金の返還に苦労するイメージや、申請が複雑で難しいというネガティブな印象が強く、奨学金への偏った印象が浮き彫りになりました。
これを奨学金受給者と非受給者で比較したところ、「借金なので、怖い」と回答した割合は、奨学金受給者が28.8%であったのに対して、非受給者では70.7%と大きな差が見られることから、ネガティブなイメージが、奨学金を受け取っていない原因としても考えられ、奨学金受給・活用へのハードルになっている可能性もうかがえたといいます。
続けて、「奨学金の知識」について聞いたところ、「給付奨学金は知っていたが、その種類が多数あることは知らなかった」(32.8%)、「給付奨学金が多数あることを知っていた」(29.1%)、「給付奨学金は知っていたが、自分や自分の子どもは対象にならないと思っていた」(21.4%)といった回答が挙げられた一方で、「給付奨学金が多数あることを知らず、奨学金は借りるものだと思っていた」いう人は全体で16.5%、非受給者では84.6%に上ることが分かりました。
最後に、「奨学金を申請または検討したきっかけ(奨学金の情報源)」について複数回答可で答えてもらったところ、「先生・学校からの紹介」(40.6%)が最も多く、次いで「学校開催の説明会」(32.7%)、「学校で配布・掲示された資料」(28.3%)と続きました。その一方で、「SNSや情報サイト」(9.9%)などインターネットからの情報源は約1割にとどまり、奨学金に関する情報源の多くが学校や教師・職員から提供されたアナログな情報源であることが分かったそうです。