【ボールペン問題】書けなくなったらあなたは捨てる?替え芯? ゼブラは替え芯を推奨 「1本を長く大切に使っていただきたい」

先日、出張で地方に赴き、喫茶店でパソコンを開いて仕事をしていると、隣席のOL風の女性が何やら複数のボールペンを取り出し、分解していました。

「何をしているんだろう」と横目で見ると、女性は分解した複数のボールペンの芯を取り替えていました。「ボールペンの芯を取り替えるとは、ずいぶん物持ちが良いマメな人だな」と感じ、後日この話を友人にしたところ「え? 替えないの? 全部とは言わないけど、俺は結構替えて使ってる」という返答がありました。

ボールペンの芯、筆者は替えたことがなく、いつも「インクが出なくなったら使い捨て状態」でしたが、あなたは「ボールペンの芯を替える派」「替えない派」どちらでしょうか。

■替芯販売自体を知らない人も

ボールペンのインクが出なくなったら処分していた筆者ですが、なんとなく環境に対する罪悪感のようなものを感じつつ「これは意外と語られていない話かも」と、ボールペン商品に定評があるゼブラに問い合わせてみました。

聞けば、同社調べによると「1年以内にボールペンを購入した一般人のうち、ボールペンの替え芯を購入した人が53%に及ぶ」とのこと。さらに「環境問題に関心を持つ人のうち、ボールペンの替え芯交換をしている人は64%に及ぶ」とも。筆者的にはさらに罪悪感を強める数値だったわけですが、ゼブラ担当者はこうも教えてくれました。

「当社の『お客様相談室』への替え芯に関する問い合わせが増加しており、2022年は2018年比で約2倍になっています。中でも、『ペンより替え芯を使ったほうが環境的に良い』『ペン本体を捨てるのはエコの観点からもったいない」』『プラスチックを減らすためにも全てのペンに替え芯があればいいなと思った』など、環境配慮の観点からのご意見を多くいただいており、環境意識の高まりがうかがえます。ただし、いまだにボールペンに替え芯があって交換して使えることをご存知ないお客さまもまだまだ多く、知ると驚かれることも多々あります。それは当社がまだお伝えしきれていないことが原因であると、反省しております」

■ゼブラ推奨の「替え芯」利用のメリットとは?

ボールペンの替え芯使用にはさまざまなメリットがあるそうです。

「ボールペン本体を使い捨てるよりは、替え芯を交換して使うほうが廃棄するプラスチックの量が少なく済みますので、環境保全の面で貢献ができることがメリットです。そして、ボールペン本体よりも芯のほうが安価であるため、使用にあたって費用を安く抑えることもメリットですので、お勧めさせていただいております」

メーカーの立場に立って考えれば、替え芯で1本のボールペンを使い続けられるよりも、ボールペン自体をどんどん買い替えてもらうほうが収益につながるはずですが、それより「環境にやさしく、生活者にとっての費用面での効果」を優先して勧めるゼブラの姿勢に好感を抱きました。

また、ゼブラでは特に環境面ではボールペン本体、替え芯ともサステナブルを意識した開発も実施しているとも。

「特に、サステナブルに特化した替え芯の『バイオチューブCEK-0.7芯』という商品は、業界初となるインクチューブにバイオマスプラスチックを使用した替え芯で焼却処分をした場合にも『CO2濃度を上昇させない』メリットがあります。また、この芯を搭載した『バイオチューブ搭載ジムノック』というボールペンは、ボディに再生プラスチックを採用しています。近年は環境保護を意識されるお客さまが増えていますので、こういった環境にやさしい商品開発を行いながら、継続してお使いいただけるような周知にも積極的に取り組んでいきたいと考えています」

■1本のボールペンを大切に使い続ける人たちの思い

さらに聞くと、ボールペン1本1本に込められた使う人個々が持つ思い出や記憶も、替え芯の使用を推奨している理由だとも言います。

「お客さまからのお問い合わせで、『親しい人からプレゼントとしてもらったペン』『受験勉強でがんばった思い出のペンを長く使いたい。替え芯を購入したい』といったお声をいただくこともあります。当社にとって、1本のボールペンを長く大切に使っていただけることは本当にありがたいことです。さらに長くご愛用いただくためにも、替え芯の使用を推奨させていただいています」

ゼブラのアツい思いにちょっと感動……この取材を踏まえ、筆者も替え芯派になろうと決心しました。最後に改めて生活者の方へのメッセージをもらいました。あらためて担当者の思いを紹介します。

「地球環境の保護のためには、小さなことの積み重ねが必要と考えます。そして、ボールペンは普段身近に使う商品だからこそ、こだわってお選びいただき、そして1本をできるだけ長くお使いいただければ嬉しいです。特にサステナブルに特化した前述のような商品もありますので、ぜひ今後もご注目いただき、手にとっていただければ嬉しいです」

ゼブラ・バイオチューブ公式サイト

https://www.zebra.co.jp/sp/biotube/

(まいどなニュース特約・松田 義人)

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