「これはあかんやつや」薬丸裕英さん、モト冬樹さん、野沢直子さんも悩んだ「ばね指」→実は更年期によくある症状だった

 ある朝、目が覚めると左手親指の付け根に違和感が。筋でも違えたのかな…とそのままにしていたが、2日経っても3日経っても、1週間経っても痛みはいっこうに引かず。親指を無理に動かそうとすると激痛が走り、指の関節が遅れてカクンカクンとぎこちなく動く。力が入らず、物がつまめない。「これはあかんやつや…」。筆者自身に降りかかった体験談です。

■指の使いすぎ、更年期の女性にも

 「この痛みが続くのは耐えられない」。知人に相談したり、インターネットで検索したりして、兵庫県内の大きな病院の整形外科へ駆け込みました。

 レントゲンや精密検査などの結果、医師から告げられた症状は「弾発指」。いわゆる「ばね指」でした。

 「指の付け根で屈筋腱とじんたい性けんしょうの間で炎症が起こると、けんしょう炎になり、けんしょうの部分で腱の動きがスムーズでなくなり、指の付け根に痛み、腫れ、熱感が生じます。朝方に症状が強く、日中は使っていると症状が軽減することも少なくありません。進行するとばね現象が生じてばね指となり、さらに悪化すると指が動かない状態になります」(日本整形外科学会ホームページ「ばね指」解説より)

 医師によると、指の使いすぎのほか、更年期に起こることが多いそう。筆者は普段、スマホを左手に持ち、左の親指でスクロールすることが多かったため、「指に負担をかけてるなあ」と感じていた矢先でした。しかも更年期の真っ只中。思い当たる節しかありません。

 治療は主に、保存療法と手術療法の2通り。筆者の場合は、医師から直接教わった指の伸ばし方を起床とともに実践し、1日3回の塗り薬で経過を観察することになりました。

■ズボンや靴下が上げられず、牛乳パックも開けられない

 初回の診察から1カ月経過しましたが、日常生活の中ではさまざまなことに悩まされています。

 例えば、服のボタンがとめられない、ズボンや靴下が上げられない、ゴミ袋が結べないなど。牛乳パックを開封するのも一苦労です。

 仕事では、電話の際に受話器やスマホ本体が親指で支えられないため、何度も落としそうに。パソコンのキーボードは親指以外の4本の指で打てるようになりましたが、ありえない打ち間違いも。

 「こんなにも親指に頼っていたとは」と驚くことの連続です。

■阪神・今岡コーチ、薬丸裕英さん、野沢直子さんも悩んでいた

 これまでにばね指を公表したスポーツ選手や有名人には、阪神タイガースの今岡真訪打撃コーチ(現役時代の登録名は今岡誠)、勝間和代さん、薬丸裕英さん、モト冬樹さん、野沢直子さんらがいます。

 今岡コーチは現役時代、右手中指のばね指に悩まされ、2006年に手術に踏み切りました。薬丸さんは2021年、自身のブログに「ばね指が再再発」と投稿。モト冬樹さんは2022年、ばね指に3年ほど苦しんでいることを告白し、「みなさんも もしバネ指になったら なるべく早くお医者さんに」とアドバイス。野沢直子さんはラジオ番組の中で、ばね指になったことを明かし、ブログには「やっぱちょっとガタがきてるわあ」と自身の体の変化をつづっています。

(まいどなニュース・金井 かおる)

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