「いつもピリピリ」「余裕がない」 保護者に聞いた「不登校のきっかけ」…3人に1人が「先生との関係」と回答

特定非営利活動法人多様な学びプロジェクト(神奈川県川崎市)は、さみだれ登校や不登校のこどもを育てている保護者/元保護者を対象に、「不登校の子を育てる保護者のニーズ調査」を実施しました。調査の結果、保護者の3人に1人が「不登校になったきっかけ」は「先生との関係」だと考えていることが分かりました。 

調査は、2023年10月~12月の期間にインターネットで行われていますが、このうち10月13日時点の582人のデータを元に集計し、速報版として公表されています。

最初に、保護者向けアンケート内で保護者から回答を得た「子ども」777人を対象に、「お子さんが一番最初に学校を休むようになった(休みがちになった)きっかけ」を複数回答で答えてもらったところ、最も多かったのは「先生との関係(先生と合わなかった、先生が怖かったなど)」で261人(33.5%)でした。次いで多かったのが「学校システムの問題(価値観が古い、時代に合わない、風土に合わないなど)」で204人(26.2%)となりました。

保護者からは、「先生がいつもピリピリしていて、怒鳴る場面もあり、息子は怯えたり、先生の理不尽な言動に怒ったりしていました」(40代・小6児童の母・小1から不登校)や、「担任の先生が余裕のない状況の中で、帰りの支度や物事の切り替えがうまくできない息子に対して、小突いたり手を捻ったりと手をあげることが生じました」(40代・小5児童の母・小2から不登校)といった声が寄せられました。

調査を行った団体は、「先生たちの苦しい状況が子どもたちの不登校に影響を及ぼしている様子が垣間見えました」といい、「先生をバックアップする体制の拡充は急務であることが伺えます」と分析しています。

■半数以上の保護者が、現状の支援は「助けにならない」「話を聞くだけ」

次に、582人の保護者・元保護者に、「現在子どもへの対応または子どもの将来についてどのくらい悩んでいますか」と聞いたところ、501人(86%)が「悩んでいる」(すごく悩んでいる:33%、悩んでいる:22%、まあまあ悩んでいる:31%)と回答。また、「お子さん本人にとって適切な居場所(学校含む)に出会っていると思いますか」と聞いたところ、46%の人が「そう思わない」(そう思わない:27%、あまりそう思わない:19%)と答えました。

では、「保護者が行政に望む支援」とはどのようなものなのでしょうか。複数回答で答えてもらったところ、「フリースクールなど学校以外の場が無料または利用料減免」(439人・75.4%)、「フリースクールなど学校以外の場に通った場合の家庭への金銭的支援」(432人・74.2%)、「学校が変わってほしい」(421人・72.3%」、「学校教員への研修」(420人・72.2%)などが上位に挙がりました。

また、「不登校児のための施策」について、利用状況に当てはまるものを答えてもらったところ、「教育支援センター(適応指導教室)」や「教育相談(行政)」、「スクールカウンセラー」について、「利用して助けになった/なっている」と回答した割合がそれぞれ19.1%、18.9%、31.5%となった一方で、「利用できるところはあるが利用していない」・「利用したが助けにならなかった」と回答した割合の合計がそれぞれ58.0%、54.8%、59.1%となりました。

保護者からは、「自学自習ができないと入れませんと言われ申し込みも出来ない(教育支援センター)」(40代・小4、小2児童の母)、「子供に関わることで助けになったことがほとんどない(教育相談(行政))」(40代・小4、小2児童の母)、「話を聞くだけで、何もしてくれない(スクールカウンセラー)」(50代・小5児童の母)といったコメントが寄せられました。

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