「迷惑キャンパー」の実態 夜中まで宴会、他人のスペース横断…テントを張る時の“お隣との距離感”もマナーです
キャンプに関する情報をSNSなどで発信する「けむさんcamp」さんのX(旧ツイッター)の投稿に共感が集まっています。夜中まで騒ぎ続ける、他人のキャンプサイトを横断するといった「迷惑キャンパー」の行為を嘆いたもので、似た体験談も多く寄せられました。テントを張る時のマナーに関しても意見が殺到。けむさんcampさんに話を聞きました。
投稿は、11月上旬に訪れたキャンプ場での体験を明かしたものです。隣のサイトにいた子供連れのグループの行動で、まず目についたのは他の人のキャンプサイトを横断する行為でした。大人たちも一緒になって鬼ごっこをし、けむさんcampさんや周囲の利用者のサイトに数十回は立ち入っていたといいます。見かねた他の利用者が「あんたら人のサイトに入ったらダメぞ」「キャンパーの常識ばい」と注意してくれたため、一時は収まりました。
しかしその後も子供たちのサイト侵入は続き、暗くなるとけむさんcampさんのサイト内で虫取りを始める始末。大人も注意する様子はなかったといいます。他の利用者も「ここまで酷いのは初めて」とこぼし、写真を撮って管理人に報告してくれたそうです。その後、諦めてテントで寝ようとしましたが、大人たちの宴会の声が周囲に響き渡っていたといいます。消灯時間の22時を過ぎた後も遅くまで宴会は続き、なかなか眠りにつけませんでした。
■テントを張る場所、配慮できてる?
このキャンパーたちのテントの張り方についても、Xでは批判が相次ぎました。後から来た彼らが張った場所は、決められた区画内ではあるものの、こちらの区画から通路を挟んですぐの場所。山々と街並みを望む絶景が遮られ、けむさんcampさんの位置からは見えなくなりました。
けむさんcampさんは「テントの距離を少し離すことはキャンパー同士の暗黙のルールのようなものなので知らなくても仕方ない。これに文句を言うつもりはありません」としますが、Xでは批判的な意見が目立ちました。「普通はこの位置には張らない」「これはさすがに酷い」「景色のいいフリーサイトあるある…」といった声がありました。
投稿はインプレッション(閲覧数)約11万件で、YouTubeの動画も4万回以上再生されました。コメントでは「消灯時間後に薪割りをする人がいた」「海に面した絶景の前で自分のテントの前にタープを張られた」「自分のテントの上を挟んでキャッチボールされたことがある」など、体験談も多く集まりました。
「キャンプのルールやマナーは暗黙の部分も多く分かりにくい。本人たちも迷惑をかけていることに気づいていないのだと思います」とけむさんcampさん。「誰しも集団になると気が大きくなってしまう部分はあるので『人の振り見て我が振り直せ』ではないですが、気をつけようと感じました」と話します。
■3割超が「迷惑なキャンパー見たことある」
日本トレンドリサーチとタナベスポーツが今年8月、キャンプをしたことがある1000人を対象に行った調査によると、「キャンプ場で非常識な人や行為を目撃したことがある」と答えた人は31.5%。「ごみの放置」「ごみを川に投げ入れたり、茂みに放ったりしていた」など、ごみのマナーに関する回答が目立ちました。「音楽を大音量でかけたり夜中に大声で騒いだりする」「火を焚いてはいけない場所で焚く」といったものもありました。
また、こうした非常識な人や行為を目撃した人のうち「何かしらアクションを取った」という人は26.7%。「ごみは集積場に持っていきましょうと声をかけて一緒に持って行った」(40代男性)、「(執拗に絡まれて)施設の人へお知らせをして注意してもらったら退散した」(20代女性)といった回答がありました。
ただ「ごみの放置を直接注意したら逆上されて掴み合いのけんかになった」との事例も。可能であればキャンプ場のスタッフを通して注意した方がトラブル防止になるでしょう。
(まいどなニュース・小森 有喜)