「Googleマップに書き込むんじゃないかとチェックしてたら案の定」…病院のクチコミ欄に舞い降りた“奇跡”が話題に

病院のGoogle Mapクチコミ欄に起こった“奇跡”がSNS上で大きな注目を集めている。

「いろんな病院の口コミを眺めていたら奇跡が起こっていた」と件の現象を紹介したのは医師の音良林太郎さん(@Otola_ryntaro)。

「この病院は利用してはいけない。休日に診療していたので、初めて利用しましたが、2時間半待たされ、問診10秒、診察5秒、治療なしの塩対応。かなり酷い扱いでした。」とぶった切る星1つのクレームクチコミ。これだけ読むと「そんなにひどい病院なのか」と思ってしまうが、なんと直後に「私の前に塩対応だったと投稿している人物、多分同じ時に診療室に私はいました。(中略)症状が出ているにも関わらずマスクもせず来院(中略)この人は検査を拒否し、こんな短時間でなにが分かるんだ、厚生労働省に訴える、コロナは5類なのだからなんだのと延々とクレーム。(中略)あの感じだとGoogleマップの評価等に書き込むんじゃないかなとないかとチェックしていたら案の定でした」と病院を援護するクチコミが。

病院を罵っていた人物の残念な実像があらわになってしまったこの一連のクチコミに、SNSユーザー達からは

「『お天道様は見ている』そんな言葉を思い出しました。負の評価に溢れるコメント欄ですが、正の評価はもっとしていかなければいけないと感じました。中国版食べログ『美団(メイトゥアン)』には、2回以上低評価をつけた客をキャンセル出来るシステムがあります。」

「悪口や暴言がバズって幅を利かせる世の中じゃ、良いものは良いと発言しそれに賛同する『ほめ』の文化を確立しなきゃならんのかもね。」

「これはよく見つけましたね。医療機関の悪評口コミの多くは、こうした不当な評価が原因かもしれないですね。それに対して、後者のコメントは、その状況を的確に描写していて、素晴らしいと思いました。これだけ対照的な口コミがあるということは、口コミは当てにならないということかも、ですね。」

など数々の驚きの声、共感の声が寄せられている。

■投稿した医師に聞いた

音良さんに話を聞いた。

ーーこの口コミの病院について差し支えない範囲で。

音良:この口コミは東京都内のクリニックのGoogle Mapで見つけました。

ーーこの口コミへの感想をあらためて。

音良:病院やクリニックにおいては、その待ち時間の長さや病気で訪れる場所という特殊性から、ネガティブな思いがたまりがちです。また、怒りという感情や正義感は人を行動させるきっかけになりやすいですよね。そういった背景から、病院やクリニックにつく口コミは自然とネガティブなものが多くなりがちです。

もちろんクリニック側に落ち度がある場合もありますが、攻撃的な口コミをつける方はいわゆるクレーマー気質の方が多く、診療する側にとっても時間的、精神的負担のかかる方が多いことは事実です。

ーーそんな中、今回のような奇跡が。

音良:たまたま同じ診察室に居合わせたであろう他の方から善意の口コミをいただけたことはまさに奇跡だと感じます。今回バズったのも、クレーマーっぽい口コミに対してその場に居合わせた他の患者さんが肯定的に反論してくれたというのがまさに奇跡である、という点に多くの方が共感し、スカッとしたと感じられたのがその理由だと思います。

医療機関に勤務する一員として皆様に言いたいのは、もし良い治療・正確な診断を受け、良かったと思ったらぜひ肯定的な口コミをいただけると本当に励みになる、ということです。

ーー投稿への反響について。

音良:多くの反応をいただき、ほとんどは好意的なものでした。攻撃的な星1コメントに対して行われた擁護コメントはまさに奇跡、スカッとした、という反響を最も多くいただきました。また、擁護コメントは医療機関に所属するスタッフの自作自演じゃないか?というコメントもいくつかありましたね。真相は明らかではありませんが、星1コメントは医療機関にとって日常なので、悲しいことですが、わざわざスタッフが反応することはないだろうと思いました。

そして、病院にかかっている多くの普通の方は、病気の診断、治療をきちんと受けられたことをポジティブに捉えられているけれど、わざわざ口には出さないのだと思います。ですので、今回は奇跡的に養護してくださる他の患者さんがいたのだろうと信じたいです。

◇ ◇

食べログ、Google Mapなど、近年は利用者がほとんど言いっぱなしにクチコミを書けるサービスが溢れている。冷静、良心的な人ばかりであればいいのだが、単に嫌がらせや店舗、施設への理不尽な憎しみでクチコミを書く人が一定数いることも事実。その内容の見極めには十分に気を付けたいものだ。

なお、今回の話題を提供してくれた音良さんは耳鼻咽喉科医として「すべての困った人を助けたい」をモットーに、誰でもすぐに役に立つ、耳、鼻、のどに関する情報を日々発信中。特にこれから出産する可能性のある若い世代に向け、新生児聴覚スクリーニング受診を推奨している。

先天性難聴は1000人に1人発症すると言われる発症頻度の高い障害。うち約20%が先天性サイトメガロウイルス感染症によるものだが、最近、治療薬の保険適応が始まった。生後2カ月以内の投与開始が効果的ということなので、妊娠中の方はぜひ受診を検討していただきたい。

(まいどなニュース特約・中将 タカノリ)

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