耳に大ケガをした猫を保護→家族にお迎え 耳の聞こえない猫と片目が見えない猫が寄り添う姿に「幸せ感じる」
「猫を拾ったのだけど、どうしよう…」
7年ほど前、近所の人からそんな相談を受けたAさん(@yomogisan0317)。放っておけず、その猫を預かることにしました。すぐに動物病院に連れて行ったところ、驚くべきことが…獣医師が猫の毛をかき分けて耳の辺りを見ると、頭がい骨が見えるほどの大けがを負っていたのです。
このほか、てんかんの症状もあり、獣医師から「正直助からないかもしれない」とその場で告げられました。また「かなりの治療費もかかると思います。飼い主ではないようですが、治療はされますか?」とも説明を受けたとのこと。一瞬頭が真っ白になったというAさん。ただ目の前の命を救いたい…その一心で自然に口から出た言葉がこれでした。
「この子の命を救ってください。私がこの子の面倒を見ます」
そう決意したAさんは、その日から大けがを負った猫と一緒に通院を開始。そして猫をトトくん(雄・推定6歳)と名付けました。トトくんはとても人なれをしていて、もともと飼い猫で捨てられたのではないか?と思ったとか。また通院による治療とAさんの懸命な看病のおかげで、一命を取り留めることができました。ただ、けがはカラスに突かれた時に負ったもののようで耳は聞こえない状態に。聞こえないまま、Aさん家族の一員となりました。
とはいえ、トトくんを引き取った当時は、耳が聞こえないという障がいを持ったトトくんをおうちにお迎えすることにAさんは不安だったといいます。さらにAさんの旦那さんは猫嫌いでトトくんをお迎えすることに反対をしていました。しかし、しだいに旦那さんは自分に懐くトトくんにメロメロ。今ではトトくんとは”相思相愛”となり、家族の中で一番かわいがっているそうです。
こうしてトトくんをおうちにお迎えした後、Aさんのおうちにもう1匹の猫がやって来ました。今度は片目が不自由な猫でした。名前はよもぎさん(雌・1歳)に。当初はトトくんが穏やかでおっとりした性格で他の猫が苦手だったこともあり、飼うのはずっとトトくんだけと考えていたというAさん。ご縁もあって、よもぎさんもおうちにお迎えすることになりました。やはり最初はトトくんが近付いてくるよもぎさんを嫌がったそうですが、物怖じしない性格のよもぎさんに根負けしたとか。仲良しさんになったといいます。
耳が聞こえないトトくんと片目が不自由なよもぎさん。お互い障がいを持つ猫ちゃんたちですが、いつも寄り添う姿を目にしてAさんは「まるでお互いのハンデをかばい合うように仲良く行動する様子に感激します。ふたりをお迎えしてから、とっても幸せな気持ちになります」と話してくれました。
◇ ◇
■障がいや病気を持つ猫たちの写真展、「京都写真美術館」のWeb上で開設中
そんなふたりも参加する障がいや病気を持つ猫ちゃんの写真展「オンリーにゃんず写真展」が現在、京都写真美術館のWeb上で開催中です。12月18日まで。主催は、ピノワルド工房(@pinowald)さん。自身のおうちにも、目の見えない三毛猫のつむぎちゃんがいます。写真展の開催は、今回で4回目。これまでは毎年地方で開催していましたが、会場に足を運べない人たちにも見てもらおうと今年はWebで披露することになったとのこと。
写真展について、ピノワルド工房さんは「最近はペットショップではなく、保護猫をおうちに迎えるようになったご家庭も増えてきました。でも、障がいや病気を持っていると、なかなか里親さんが見つからないのが現状です。かわいさは他の猫と違いはありません。長く生きていれば障がいを持ったり、病気になったりすることもあるかもしれません。写真展や私たちの活動を知ってもらい、障がいや病気を持つ猫たちにずっとのおうちが一つでも増えていければうれしいです」と話します。
今回参加するトトくんとよもぎさんはwebのPart3(12月4日~18日)に登場しているそうです。ぜひご覧ください。
※写真展Part1は終了、Part2は12月3日まで。
(まいどなニュース特約・渡辺 晴子)