ミルクをうまく飲めなかった子犬 ヤンチャに成長 自由奔放キャラを受け入れてくれる家族とめぐりあった
生後2週間ほどで埼玉県の動物愛護センターに収容された、子犬きょうだいがいました。そのうちの1頭、ほたては以前紹介しましたが、よく似たワンコがしじみです。
ほたて同様、しじみはきょうだいの中では特に体が小さいワンコでした。引き出した犬保護団体restartdog LIEN(以下、リアン)の預かりスタッフさんは「大きく育ってね」という願い、献身的に世話をすることにしました。
■「うまく飲めないから要らないよ!」
体が小さかったしじみに、預かりスタッフさんはミルクをいっぱい与えようとしました。しじみは他のきょうだい犬に比べてミルクを哺乳瓶から飲むのが苦手な様子でした。シリンジで少しずつ飲んでもらうことにしましたが、思い通りにいかないことが気に入らないのか、「うまく飲めないから要らないよ!」と言わんばかりに、ミルクを飲みたがらないこともありました。
そうした心配も最初のうちだけで、5日ほどたつと、しじみはグビグビとミルクを飲むようになり、さらには自ら「ご飯まだ? 早くちょうだいよ!」と元気に催促するようになりました。
この成長と合わせて、預かりスタッフさんの家の中を元気よく走り回っては、他のきょうだい犬や、先住犬とも一緒に遊ぶようになりました。預かりスタッフさんは「当初、ミルクをうまく飲めなかったことを思えば、多少のヤンチャぶりもうれしいことです」と語ってくれました。
■この後どれだけ大きくなるのか予測できない
しじみを引き出してから約1カ月後、里親を募集をすることにしました。
愛くるしい外見から募集当初より複数の里親希望者さんが現れましたが、ミックス犬ということで、この後どれだけ大きくなるのか予測できません。リアンでは里親希望者さんに対し、こういった点も念入りに説明したところ、「それでも受け入れたい」という人はなかなか現れませんでした。
2023年9月、ピッタリの里親希望者さんが現れました。その家庭は3人家族で先住犬1匹がいるとのこと。ワンコを飼うことに慣れていること、そして当のしじみが他のワンコと遊ぶのが大好きなこともあり、この家にまずトライアルに向かうことになりました。
トライアル中、里親希望者さんの家で探検をし始め、ソファの上でうんちとおしっこをしたしじみでしたが、その様子を「しょうがないなぁ」と優しく笑う里親希望者さん。また、先住犬のふうちゃんというワンコもそんなしじみを優しく見守っています。まだ小さく自由奔放なしじみを許してくれる家庭での様子を受け、リアンは「こんなに優しく穏やかな里親希望者さんなら、きっとしじみを幸せにしてくれる」と確信。トライアル終了後にこの家に正式に譲渡されることになりました。
リアンの預かりスタッフさんのもとを離れたしじみは、この温かい家庭ですくすく成長してくれるでしょう。
犬保護団体restartdog LIEN
https://ameblo.jp/liendog
LIENインスタグラム
https://www.instagram.com/restartdoglien/
(まいどなニュース特約・松田 義人)