高齢者に手放され、保健所に持ち込まれる猫たちを救え! 定額寄付で“もしもの事態”をフォローする「猫生たすけあい制度」という選択肢
■保健所に持ち込まれた高齢猫
先日、岐阜県内の保健所に持ち込まれた猫がいた。年齢は15歳。飼い主さんが施設に入るため、家族によって持ち込まれたという。
ネコリパブリック首相あさかさん(@els4gats)は、
「15年間飼い主さんと共に過ごした子が、保健所では狭く、暗く冷たいステンレスのケージで管理されます。基本的に高齢猫は殺処分対象になってしまうので、慌てて引き出しました」
と言う。
ひとまず命は救えたものの、それでハッピーエンドにはならなかった。
シェルターに来た猫はなかなかご飯を食べてくれず、なんとか食べてもらうよう努力をしたが、改善が見られなかった。
「血液検査をしたところ、FIPという病気を発症していることが判明しました。FIPはストレスが原因で発症してしまうのです。つい1年半ほど前までは不治の病といわれ、発症した子の99%は亡くなってしまう怖い病気です。今は新しい新薬がきいて寛解する子も増えているのですが、15歳という高齢で発症してしまい、体力がなく、投薬しましたが、1週間ほどで亡くなってしまいました」
飼い主さんと離れてしまったことがよほどショックだったようだ。
■猫生たすけあい制度を運営
あさかさんは言う。
「高齢者が亡くなったり、施設に入る、入院するといった理由で、本当に可愛がられていた子達が保健所に持ち込まれる案件が多発しています。みなさん、ご自身が元気なうちに、自分に何かあった時のことを本気で考えて欲しいと思っています」
ネコリパブリックでは、「猫生たすけあい制度」という仕組みをつくっている。
「今回の子のように保健所に持ち込むのではなく、事前にネコリパに定期寄付をしてもらったら、ご自身に何かあった時にネコリパが迎えに行き、その子に最適な環境を用意しつつ、新しい飼い主を探すというシステムです」
「猫生たすけあい制度」は月額480円の定額寄付で自分の猫も保護猫の命も救うことができる。元は月額1500円だったが、年金暮らしの人も払えるよう大幅に値下げしたという。
「今年からリニューアルして、入院中など短期の猫の預かりや、猫についての相談を365日、受け付けています。入会時にお願いしていたワクチン接種証明書や検査結果提出も撤廃してハードルを下げました」
万が一の時のために入っておくと安心できる「猫生たすけあい制度」。あさかさんは「1匹あたりの料金が低額なので正直苦しい面もありますが、できるだけ多くの人に加入してもらうことで施設を建てたり、より手厚いサポートすることができます」と話している。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)