「人を食った熊は絶対殺さんといかん」クマを知り尽くしたマタギの経験談にゾッ!「人は毛がない&柔らかい獲物。間違いなく次も人を狙う」
11月2日、北海道福島町で男子大学生の遺体が発見された。激しく損傷した遺体の数十メートル先で、ヒグマの死骸が発見された。このヒグマの胃からは、亡くなった大学生の遺体の一部が見つかった。このヒグマは10月31日にも男性消防士3名を襲っていたという。
ヒグマ、ツキノワグマを問わず、熊は一度「エサ」と認識した獲物に異常なほど執着する習性を持つ。そんな「熊」の恐ろしさについて、多くの熊が生息する長野県で暮らす、でんぎょ~@長野(@ndengyo)さんがX(旧Twitter)に投稿したポストが大きな話題になった。
■「人を食った熊」は間違いなく次も「人間」を襲う
「昔、本職の猟師さんに聞いたことあるが、人を食った熊は絶対殺さんといかんらしい。人は『毛がない&柔らかい』ので味を覚えたら間違いなく次から人を狙うようになるそうだ」(でんぎょ~@長野さん)
自身の祖父が北信州に山を保有していたことから、幼い頃からよく山に連れて行ってもらっていたという、投稿者のでんぎょ~@長野さん。今回のポストは、祖父が参加した地元主催の『クマの勉強会』に同行した際、熊の生態を熟知した猟師の方から聞いた話なのだと言う。
「自分が小学生くらいの頃、うちの祖父のように、山を保有していたり、山で仕事をしている方を集めて、『クマの勉強会』が度々開催されていたのを覚えてます。今回ポストしたのは、その勉強会に招かれた東北の本職のマタギの方から聞いた話です。信州では今も山で仕事をしていたり、山を保有してる方がそれなりにいらっしゃるので、今でも地域で自主的に熊害に対する勉強会などをやってると思います」(でんぎょ~@長野さん)
■「三毛別羆事件」も人間の味を覚えたヒグマだった
でんぎょ~@長野さんのポストに対し、寄せられた多くのコメントの中には、国内最多の死者数を出した「三毛別羆事件」や「福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件」など、執拗に人間(獲物)を襲い続けた凄惨なクマ事件を思い浮かべたという声も見受けられた。
「ハムが歩いてるようなもんだな」
「しかも動きが鈍くて大した反撃も来ない生き物ですからね」
「漫画『ゴールデンカムイ』でアシリパさんも言ってた」
「味を覚えたらどんぐりなんて食べないでしょう」
「三毛別羆事件も人間の味を覚えた羆(ヒグマ)が次々と襲った…と猟師さんがおっしゃってた」
「熊は賢い上に学習する。『人を狩る対象』と学習したら獲物にされる。駆除止むなし」
■大事なのは「ばったり出くわさない」
でんぎょう~@長野さんの暮らす長野県は、全国でクマの捕獲数が6番目に多く、県のホームページにも「クマ被害」を防ぐためのさまざまな情報が掲載されている。長野県に生息するツキノワグマはヒグマに比べて身体は小さいが、想像を絶するほど食欲が旺盛で力が強く、柵や鉄筋も無意味なほどの驚くべき身体能力を持つという。
「自分自身は直接熊と相対した経験はまだないですが、遠目で見かけたことは数回あります。長野県ではそういう経験をしている方がそれなりに多いのではと思います。熊の人的被害については、それはもう、いろんなところで対策がされている通りだと思いますし、『ばったり出くわさない』ことがいちばんの対策だと思います」(でんぎょ~@長野さん)
■抗議の電話をかけてる場合じゃない
長野県は、人間の怖さなどを覚えさせてから山へ返す「学習放獣」の数が全国1位だという。だが熊はその習性上、畑や人家を「エサ場」と認識してしまえば、何度でも同じ場所に出没する。そして一度でも「人間」を襲った熊は、人間を弱い獲物と認識し、何度でも人を襲う。さらに「人間」を食ったことがある熊にとっては、爪や牙を持たない非力な「人」は襲いやすく、毛がなく皮膚が薄くて柔らかい「絶好の獲物」となる。
『ばったり出くわさない』を心がけていても、今年は至るところで畑や市街地にまで出没する個体が異常なほど多く、統計開始以降最多の人的被害を更新し続けている。さらに今年は暖冬のため、「冬眠」をせずにエサを探し続ける「穴持たず」と呼ばれる危険な個体が多く出現する可能性も懸念されている。
「人里に来た熊を殺すなと、抗議の電話かけてる場合じゃないのがこれでわかりましたね」というコメントも寄せられていた。「熊」対策に関しては、長年「熊」と対峙してきた猟師や地元民、地域の事情や状況を熟知した各地域の自治体の方針に従うのが賢明だ。
(まいどなニュース/Lmaga.jpニュース特約・はやかわ かな)