室内飼いの猫を探せ! ひと夏の冒険だった2週間の家出 「もう窓から逃げ出さないでね」
2023年7月、日本家屋が並ぶ関西のとある地区で、飼い猫が家を飛び出してしまいました。名前は「ちゃーちゃん」。茶白の毛並みの猫で、どうやら部屋に設置していた窓のロックを噛んで器用に開け、外に出てしまったとのこと。
約1週間が経過しましたが、飼い主は「付近を探してもなかなか見つからない」と頭を悩ませていました。そこで、関西圏を中心に活動している保護猫・ノラ猫専門のお手伝い屋さん「ねこから目線。」に捜索し捕獲を依頼しました。
■「軒下にいる可能性がある」とカメラを設置
何を思って飛び出したのかは謎ですが、おそらくは好奇心によるものでしょう。しかし、室内飼いだったため、外の世界を知りません。「ねこから目線。」のスタッフは思わぬ事故やトラブルに遭わないことを願いながらも、長年の経験から「怖くなり、付近の民家の軒下あたりに固まっている可能性がある」と判断。周辺の民家の軒下を重点的に捜索していくことにしました。
協力してくれる家の軒下にカメラを設置ししばらく様子を見ていくことにしましたが、カメラに映るのは近所に住み着く野良猫ばかり。肝心のちゃーちゃんの姿は一向に見当たりませんでした。
■ついにちゃーちゃんがカメラに映った
心強いことに周辺の住民の方々は協力的で、多くの家がカメラ設置を許してくれました。捜索を始めてから8日目、ついにしっぽフサフサの茶白の猫・ちゃーちゃんがカメラに映りました。
喜ぶスタッフでしたが、ここからが険しい道のりです。近くで過ごしていることがわかりましたが、確実に捕獲できるとは限らないからです。さらに、このカメラにちゃーちゃんが収まったのは一度きり。再び姿を見せることはなくなり、もしかしたらここから別のエリアへ移動した可能性も考えられました。
そんな中、ちゃーちゃんの捜索を呼びかけるチラシを見た近所の住民から連絡がありました。なんとのこの家にちゃーちゃんがいるとの情報です。おそるおそる現場に向かうと、ちゃーちゃんはこの民家の庭で、のんびり過ごしていました。
■脱走から2週間を経て、無事に家に戻ることに
発見を喜びつつも、相手はすばしっこい猫です。慌てて捕獲しようとすれば、怖がってどこかに行ってしまうかもしれません。そのため、スタッフは深夜、庭に捕獲器を設置しました。周辺にはマムシが出ることもあるそうで、細心の注意を払いながら、捕獲器の中に入ってくれることを待ちました。
それから約1時間後、ちゃーちゃんが捕獲器に入ってくれました。スタッフは無事だったことを喜び、これまでの苦労が報われたような気持ちになりました。
捕獲後、ちゃーちゃんに「ちゅーる」を与えると、バクバク食べてくれました。空腹を耐え忍んでいたのかもしれませんが、幸いけがや病気などもなく元気でした。
最初の脱走から2週間が経ちましたが、なんとか無事に飼い主さんの元へ返すことができました。
ちゃーちゃんにとっては一夏の冒険となった脱走劇ですが、後日スタッフの元に飼い主さんから送られたきた写真は、以前と変わらず、部屋の中でのんびり過ごしている様子でした。「ちゃーちゃんがこのままずっと優しい飼い主さんの元から離れませんように」と願うスタッフでした。
「ねこから目線。」
https://nekokaramesen.com/
(まいどなニュース特約・松田 義人)