【遺伝子データから分析】「二重まぶた」の可能性が高い人が多い都道府県 2位は「鳥取県」

株式会社ユーグレナ(東京都港区)は、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータをもとにした、「二重まぶたの可能性が高い遺伝子タイプが多い都道府県(出生地)ランキング」を発表しました。その結果、「奈良県」が1位となりました。

ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストが提供する遺伝子解析サービスは、個人の健康リスク・体質・祖先について、300項目以上の遺伝子型を解析し、どのような病気にかかりやすいか、どのような体質の遺伝的傾向があるかについて、結果を提供するサービスだそうです。

目を開くときには、上眼瞼挙筋(じょうがんけんきょきん)という筋肉がまぶたを上方向に引っ張ります。この時、皮膚が折りたたまれてヒダができる場合は「二重まぶた」、ヒダができない場合は「一重まぶた」とよばれます。

「二重まぶた」が遺伝するかどうかは、遺伝学の父として知られるオーストリアのメンデル博士が19世紀に発表した「顕性の法則(※)」の理論が有名です。遺伝子には、特徴が表に現れやすい「顕性遺伝」と現れにくい「潜性遺伝」があり、顕性遺伝な特徴の方が遺伝しやすい性質を持っています。まぶたの形状に関しては、二重まぶたが「顕性遺伝」で、一重まぶたが「潜性遺伝」であると言われており、二重まぶたの方が遺伝しやすいと考えられているそうです。

(※)以前は「優性の法則」や「優劣の法則」と呼ばれていましたが、2017年に日本遺伝学会が遺伝子に優劣があるとの誤解を避けるため、「優性」を「顕性」に、「劣性」を「潜性」に言い換えることを決めました。2021年度には中学校の全ての教科書で「顕性・潜性」の用語が主として使われるようになりました。

そこで、本調査では2023年に追加した遺伝子解析項目の1つ、「二重まぶた(SNP:rs242975)」に注目。2023年11月に同サービスの利用者の中から5万7449人のゲノムデータを用いて、「二重まぶたの可能性が高いタイプ(遺伝子型:TT)」、「やや二重まぶたの可能性が低いタイプ(遺伝子型:CT)」、「二重まぶたの可能性が低いタイプ(遺伝子型:CC)」の3つのタイプのなかから、「二重まぶたの可能性が高いタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出し、数値化しました。

その結果、「二重まぶたの可能性が高いタイプが多い都道府県」の1位は「奈良県」(52.81%)となりました。以下、2位「鳥取県」(51.00%)、3位「三重県」(50.74%)、4位「滋賀県」(49.53%)、5位「福井県」(48.40%)、6位「大阪府」(47.95%)、7位「宮城県」(47.83%)、8位「岐阜県」(47.28%)、同率9位「香川県」「秋田県」(いずれも47.15%)と続き、近畿地方の2府5県すべてが14位以内に入る結果となりました。

なお、遺伝子解析項目「二重まぶた(SNP:rs242975)」に関して、「二重まぶたの可能性が高いタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する日本人の割合は45.8%、「やや二重まぶたの可能性が低いタイプ(遺伝子型:CT)」は43.5%、「二重まぶたの可能性が低いタイプ(遺伝子型:CC)」が10.8%となったことから、日本人の約半分が「二重まぶたの可能性が高い遺伝子タイプ」に該当することが推測されるとしています。

また、人種別では、「二重まぶたの可能性が高いタイプ(遺伝子型:TT)」に該当する割合が高い順に、「南アジア集団」(74.3%)、「ヨーロッパ集団」(72.3%)、「ラテンアメリカ集団」(66.6%)、「アジア集団」(60.2%)、「東アジア集団」(56.2%)、「アフリカ集団」(44.1%)となっており、同じアジアの中でも、日本を含む東アジア集団よりも、インドやバングラデシュなどを含む南アジア集団の方が高いことが分かったそうです。

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