「診察券はポーチから出して」医療事務員のお願いが話題 提示求めると「ほい」とポーチごと投げる患者も
耳鼻科に勤務する医療事務員がSNSで発信した「患者さんへのお願い」が話題になっています。X(ツイッター)に投稿したのは「クリニック医療事務員」さん(@hana52012896)。来院した患者さんに診察券と保険証の提示を求めると、診察券が詰まったポーチごと渡してくる人がいて困っているというもの。「些細なことでトラブルが起きがちなんですよ」と嘆く投稿者さんに話を聞きました。
■高齢者も若者も…「無言の方もたくさんいます」
ポーチとはおくすり手帳や保険証、診察券などがまとめて管理できる便利なアイテムで、「保険証ポーチ」や「おくすり手帳ケース」などの商品名で多数のメーカーから販売されています。
患者の中にはポーチから診察券を探すのを面倒がり、医療事務スタッフに「この中にあるから出して」と探すように促してくる人や、「ほい」とポーチごと投げてくる人も。「当たり前のように無言の方もたくさんいます。多分それが普通だと思っているのではないでしょうか」
しかし、クリニック医療事務員さんは「できればケースから出して、診察券と保険証だけの提示をお願いしたい。できなくてもしてほしい」と呼びかけます。
「受付の事務員が保険証ポーチから出してくれないのは、冷たいからとか、面倒がっているからではなく、事故を防ぐためですということが伝わるとうれしいです」(クリニック医療事務員さん)
これまでに手助けしたことで理不尽な言いがかりをつけられたことは数知れず。よくあるのは「入れていたカードがなくなってる」「診察券をいつもと違う場所に入れられわからなくなった」「向きを逆に入れないで」など。
先日も高齢患者が困っている姿を見るに見かねて、ついついポーチから出すのを手伝ったところ「カードがなくなった」と騒動に。一緒に探して無事に見つかりましたが、「混んでいても、時間がかかっても、冷たく思われても、やっぱり自分で出してもらうしかない」と反省したといいます。
「高齢の方に限らず、若い方もいらっしゃいます。お子さんを連れてきた若いお父さんは、何が必要なのか把握せずに、(家族から)預かったままのポーチをそのまま出される感じですね。20代から60代の社会人の方は、自分の保険証と診察券は財布から出される方が多いので、ポーチごと渡してくる人は比較的少ない印象です」(クリニック医療事務員さん)
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投稿は拡散が続き、3千を超えるいいねがつきました。医療関係の人たちからは「あるあるですね」「辛い思い出あります」「クリニック勤務はみな経験しているかも」「あとでクレームに発展することありますよね」「お母さんに母子手帳ポーチを投げてよこされたこともあります」「中に入れていた現金がなくなったと騒ぎになった」など。中には「手先が不自由な場合はそのままでもいいのでは」「透明ケースならそのまま出してと言われる病院もあります」などといった意見もありました。
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最後に、医療事務担当者として他にも伝えたいことがあるか尋ねると、クリニック医療事務員さんは遠慮がちにこう話しました。
「基本的なことですが、暴言や暴力的な態度などをやめてほしいです。こちらの案内やお願い、ルールには協力してほしいです。診察の順番、マスクのお願い、保険証提示のお願い、発熱外来への案内などは、医師の指示のもと必要があってしているので…」(クリニック医療事務員さん)
(まいどなニュース・金井 かおる)