カレーライス、ご飯はどっち向き? ココイチ、ハウスが教える「きれいに見え、食べやすい位置」

 「おせちもいいけどカレーもね!」ーー昭和の頃、人気アイドルグループ「キャンディーズ」がレトルトカレーのCMで歌った有名なフレーズです。キャンディーズ人気もあり、お正月=カレーは浸透。現在も年明けの週には食卓にカレーが並ぶ家庭が多いという調査結果があるほどです。新年の集まりなどで親戚や友人たちにカレーを振る舞うとき、おいしく見える盛り付け方はあるのでしょうか。カレーチェーン店や食品メーカーに聞きました。

■ココイチ「カレーソースが手前、ライスは奥」

 カレー専門店「カレーハウス CoCo壱番屋」を国内外に展開する株式会社壱番屋(本社、愛知県一宮市)では、「提供した際にお客様から見て、カレーソースが手前に、ライスが奥になっています」。

 同社はカレーに載せるトッピングの種類が豊富。そのため、顧客が選んだトッピングがよりきれいに見えるように配慮しているそうです。

 「多くのお客様にココイチの豊富なトッピングを楽しんでいただいており、そのトッピングを正面からきれいにお見せするために、カレーソースを手前、ライスを奥としています。メニューブックなどではお皿が斜めになっておりますが、店舗での提供時はお皿に印字されているロゴがお客様の正面に来るようにしています」(壱番屋広報担当者)

 ご飯の食べやすさも考えているといいます。

 「当社はライスの量も自由にお選びいただけるようになっておりますが、トッピングをライス側に載せるため、ライスを大盛りにすると、ソース側との高低差が大きくなります。高さのあるライスとトッピング側が奥にあった方が食べやすいということもカレーソースを手前、ライスを奥としている理由の1つでございます」(壱番屋広報担当者)

■ハウス食品、写真撮影では「10時4時の角度を意識」

 「弊社としてはごはんの位置は、『左・右・手前・奥のどこがいい』ということを推奨はしておらず、お好みの盛り付けでお召し上がりいただきたいと考えております」

 こう話すのは、大手食品メーカー「ハウス食品」(本社、東京都千代田区)の担当者。

 それでもレシピの完成例などを撮影する際には、カレーのルーを引き立たせる盛り付け方があるのだとか。

 「カレーが目立って美しく見えるよう、カレーが左上から右下にかけてかかっている『10時4時の角度』を意識しております」(ハウス食品担当者)

 同社のロングセラー商品「バーモントカレー」の配膳例の写真を見ると、時計の10時4時の角度で、手前にルー、奥がご飯の位置で盛り付けられています。SNSなどでカレーの写真をアップするときに参考になりそうなテクニックです。

     ◇

 同社が行った年末年始の食卓にカレーが登場する機会についての調査では、「1月前半はカレーが食卓に登場する頻度が年末より多い傾向にあり、中でも年明けの週は特によく食べられている」という結果に。

 「親戚同士で集まるなど、普段とは少し違った食事をするお正月の直後は、久しぶりに普段の食事に戻り、家族みんなが大好きなカレーを楽しむ傾向にあると考えられます」(ハウス食品)

 また、お正月明けはカレーに入れる材料の数も増えるといい、「イベント時にはなかなか十分に摂り切れない野菜類や、年末に使いきれなかった食材などをカレーに入れているのではないかと推測されます」。

■「ご飯の位置は右か左か」2000人にアンケート、結果は?

 マーケティングリサーチ会社「マクロミル」(本社、東京都港区)の調査「カレーライスのごはんの位置は右か左か」によると、「ご飯を左側によそう」と回答した人が50.4%、右側は29.2%という結果が出ました。

 2022年11月、全国の20歳以上の男女2000人を対象にインターネットで調査。

 ご飯とルーを同じお皿に盛り付けると答えた1986人のうち、「ご飯は左」50.4%、「ご飯は右」29.2%、「全体か中央」14.4%、「手前」2.7%、「奥」2.2%、「そのほか」1.2%でした。

 「ごはんを左側に置く理由としては、ごはんが左のほうがルーと一緒にすくいやすいという説や、その配置が自然だと感じる人が多いという説があるようです」(マクロミル)

(まいどなニュース・金井 かおる)

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