世界一有名な女子ラグビー選手「家庭内暴力、ドラッグ、アルコール」自伝で明かした幼少期のトラウマ
JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(リーグワン)の開幕が12月9日に迫り、今年から加わった海外の有名選手たちの話題などでも注目度が高まっています。ラグビーの聖地ニュージーランドでは男子と同様に女子ラグビーもかなり人気なのですが、その中でも世界一有名な女子選手と言われるルビー・トゥイ選手の存在はご存知ですか? 彼女は昨年、ニュージーランドで自伝を出版し、現地ではベストセラーに。その自伝を日本語訳にして出版するクラウンドファンディングのプロジェクトが現在、日本国内で行われています。
■「女子ラグビー=迫力がない」は古い先入観
女子ラグビーが話題になったは昨年、ニュージーランドで行われた女子ラグビーワールドカップ。
筆者は大会期間中、大会スタッフとして現地で働いたのですが、ニュージーランド在住の友人たちも女子のワールドカップが開催されることを認識していないほどの知名度でした。ところが大会が始まってからというもの、女子ラグビー=迫力がない、という先入観を覆す情熱に溢れたものすごいプレーの数々と、主催者側も力を入れていたSNS配信のおかげで視聴率はみるみる上昇。ベスト8が始まる頃には国中の話題になっていました。
特に注目を浴びたのはニュージーランドチームのルビー・トゥイ選手。サモアの血を引く彼女は持ち前の明るくサバサバした性格を全面に出したSNS配信と、アグレッシブなプレーでたちまち世界的に有名に。ニュージーランドチームが優勝した際のインタビューでは突然歌いだし、観客を巻き込んだ大合唱を起こしました。過去には7人制ラグビーで東京オリンピックの金メダル獲得もしていて、その時もキャラを全面に出したおもしろいインタビューが欧米のネットでは大バズりしました。
■幼少時代のトラウマ、男子代表とのひどい格差
今ではトップアスリートの彼女ですが、子供時代は恵まれず、家庭内暴力やドラッグ、アルコールに囲まれた環境で育ったそう。自伝では、大学生の時にラグビーを始めたもののチームで一番下手だったため毎日した血のにじむような努力、10年前はアマチュアチームで男子代表オールブラックスとの格差がひどかった女子代表チームの発展など、彼女の生の言葉で事細かくつづられています。筆者は本を読んで、鬱状態にまでなってしまった子供時代のトラウマに負けず、とにかく自分の好きなことをがむしゃらに信じてやり続けた姿勢に感動しました。諦めずに努力すれば夢が叶うという言葉を、実際にやり遂げた彼女に勇気づけられた読者は多いでしょう。読み終えてすぐに思った事は「この本をどうしても日本語の訳して日本のファンと女子ラグビー選手たちに届けたい!」でした。
そんな思いから個人で日本で出版するための出版社探しを開始し、ようやくプロジェクトが形になりました。クラウドファンディング出版という形で、1月30日まで支援者を募集しています。12月初旬現在、36%まで達していますが、もし成立しなければ出版は不可能となるこのプロジェクト。筆者も一か八かの挑戦です。出版できれば日本でもまだまだ男子と格差がある日本の女子ラグビーの貢献できるはず。ラグビーファンの方、アスリートの人生に興味がある方、インスピレーションをもらえる話が好きな方、少しでも興味がある方はぜひ。
詳細はクラウドファンディングサイト「GREEN FUNDING」に公開中の、「世界一有名な女子ラグビー選手 ルビー・トゥイが自ら語る困難と成功のストーリー『Straight Up』を翻訳出版したい!」へ。
▽Coco 台湾在住のライター。2019年ラグビーワールドカップ日本大会でサモア代表チーム帯同通訳を務める。2021年女子ラグビーワールドカップニュージーランド大会ではSNSコンテンツを作成。
(まいどなニュース特約・Coco)