19歳で救急法指導員になった女子大生 道路に倒れた高齢者「助けないと」人見知りの高校生が救った命
京都府南丹市園部町の大学1年生が、日本赤十字社の「救急法指導員」に府内で史上最年少の19歳で認定された。路上で倒れたお年寄りを見つけ、講習の経験を生かして救った経験から志した。人前で話すのは苦手というが、練習を重ねて合格。早速講師として活躍し「助ける力のある人が世の中に増えてほしい」と意気込んでいる。
明治国際医療大学救急救命学部の秋田光姫さん。静岡県出身で、中学の職場体験で訪れた消防署で女性救急救命士に出会った。「てきぱき働く姿がかっこいい」と引かれ、消防や日赤の講習で応急手当てを学び始めた。
高校3年の下校中、横断歩道に倒れている高齢男性を見つけ「助けないと」と体が動いた。周囲の安全を確かめて駆け寄り、近くの人に協力を求めた。安全な場所へ移し救急車も呼べたのは「講習を受けていたから」と知識の大切さを感じ、指導員を目指した。
今年8月、京都市東山区の日赤府支部で5日間の講習に参加し、心臓マッサージや止血法の教え方を学んだ。「人前で話すと緊張で頭が真っ白」な性格だが、模擬指導を重ねて克服。受講者に質問したり、要点を復唱してもらったりする工夫も考えた。
「曖昧な理解では教えられない。意味まで学び直した」といい、受講者7人中、秋田さんを含む5人が合格。認定されれば最年少と聞いており「プレッシャーがあったのでうれしかった」。
同支部によると、指導員は全国約6800人、府内約150人だが、30代以下は7%。若手を増やそうと3年前、20歳以上だった年齢制限を2歳下げた。19歳の合格は「全国でも珍しい。特に同世代への指導に活躍してほしい」と期待する。
同支部で10月下旬にあった講習で、他の指導員と共にデビュー。市民約30人を前に、倒れた人を救う流れを実演した。「緊張であたふたした」が先輩のフォローもあって乗り切り、明るい雰囲気の講座にしようと、実技に挑む受講者一人一人へと積極的に助言した。
「受けて良かった」「ありがとう」と声をかけられ「やって良かった」と一息つくが、「沈黙も生まれてしまった。楽しめる工夫を頑張って、たくさんの人が来てくれるようにしたい」と語る。
(まいどなニュース/京都新聞)