60歳すぎた商店主がスラムダンク風ポスター「オヤジギャグ満載」「スラムじじいダンクw」非ジャンプ世代がなぜ? 鬼滅、大坂なおみ、あまちゃんネタも
「地元のポスターがあまりに良すぎる」。バスケットボール漫画の金字塔「スラムダンク」をモチーフにした商店街ポスターが話題です。宮城県気仙沼(けせんぬま)市の気仙沼条南(じょうなん)商店街の店主5人が、SHOHOKU(湘北)ならぬJOHNAN(条南)ユニフォーム姿で、映画「THE FIRST SLAM DUNK」のポスターを再現しています。
東日本大震災後で被災した商店街に活気を取り戻そうと、2013年から鬼滅の刃や大谷翔平、大坂なおみをモチーフにしたポスターを作ってきました。平均年齢64.4歳の商店主たちはなぜ湘北高校のメンバーに扮(ふん)したのでしょう。気仙沼条南商店街の三浦喜市会長(63)に聞きました。
ポスターは「THE FIRST スタンプラリー」と銘打たれ、中心には商店街名誉会長の赤間文弥さん(89)、赤いカツラで桜木花道姿の三浦会長を左に配し、蕎麦屋の小野寺東さん(61)、酒屋と八百屋を営む熊谷昌宏さん(58)、中華そば屋の熊谷一政さん(51)がポーズを決めています。平均年齢が60歳を超えるメンバーはスラムダンク世代とは言えません。
ーーなぜスラムダンクに?
「63歳の私は中学時代バスケ部でしたが、大人になってスラムダンクを読んだクチです。あとのメンバーは野球経験者が多く、漫画で言うと『巨人の星』を読んでいた世代です。商店街企画部の40~50代の女性たちが『今年はバスケットボールの男子日本代表がワールドカップで活躍して、オリンピック自力出場を決めたし、映画になったスラムダンク(をモチーフ)にしよう』とアイデアを出してくれたんです」
「毎年、その年に話題になった出来事をモチーフに、名誉会長の赤間さんが変装するポスターを作ってきました。二刀流の大谷翔平選手、テニスの大坂なおみ選手、鬼滅の刃、フワちゃん、あまちゃん…。今年は芸能界で明るい話題がなかったし、『阪神タイガース優勝にしようか』という声もあったんですが、大谷翔平選手、甲子園優勝の仙台育英高校と野球ネタが2年続いていたのでどうしよう…と思案していた時に、スラムダンク世代の女性たちが良い案を出してくれました」
ポスターには「憧れるのをやめて、エンジョイショッピング!」「安心してください、当たりますよ!アレが!」と今年の流行語を詰め込んだメッセージで、商店街での買い物をおすすめしています。
スタンプラリーは特賞「憧れるのやめて当てま賞」で10万円分の商品券をプレゼント。そのほか「アレもアレも買えるで賞」「めんこぐなるで賞」「うんめもの食いで賞」などが当たると、2千円~5万円分の商品券がもらえます。
ポスターがX(旧Twitter)に投稿されると、「最高の商店街」「全力でふざけてる」「スラムじじいダンク(笑)」と称賛の声が上がり、「再現度がちょうどいい」「流行語を散りばめてオヤジギャグ満載」「名作ぞろい」と過去のポスターを含めて好評を博して11万件のいいねが付きました
三浦会長は「これまで一番話題になったのが鬼滅の刃オマージュだったのですが、今回は鬼滅超えするかもしれません」と過去最高レベルの反響に驚いています。東日本大震災を傷付いた被災地を盛り上げようと始まったポスター制作。三浦会長は「商店街は人とアイデア勝負。大型店やインターネットに負けないよう盛り上げていきたい」と話していました。商品券が当たるスタンプラリーは2023年12月9日から2024年1月9日まで。
(まいどなニュース・伊藤 大介)