母親は猫エイズ、子猫は猫風邪で衰弱…過酷な環境から保護された親子 全身で愛情を受けて元気いっぱいの「お転婆」に成長
■母猫は猫エイズ陽性、子猫たちは猫風邪で衰弱
ちゃちゃちゃん(2歳・メス)はサビ猫。母猫と歩いていたところを保護団体のボランティアに保護された。ひどい猫風邪をひいていたので、動物病院ですぐに治療を受けたという。母猫は猫エイズ陽性になっていた。猫にとって外の生活がどれほど過酷だったかを示している。
里親になったKさんは、20数年前から漠然と「猫を飼いたい」と思っていた。当時は中型犬と小型犬を飼育していた。
「環境や収入面、猫のお世話ができる時間などを考えるとすぐに飼うことはできず、やっと飼育できる環境が整ったのでお迎えしてもいいかなと考え始めました。保健所から猫を迎えた友人の話を聞き、実家でも捨て猫を拾って保護したので、私も保護猫を迎えようと思いました」
■猫可物件に引っ越したその日にお見合い
2021年夏、Kさんの夫が里親募集サイトでかわいい子猫を見つけた。それがちゃちゃちゃんだった。
「当時は『こんなかわいい子はすぐに他の人に決まってしまう!』と非常に焦っていました。午前中にペット飼育可物件に引っ越して荷物を置いて、午後にお見合いに向かいました」
写真で見た時は「個性的な柄の子だなぁ」と思っていたが、スペイクリニックでお見合いをすると、「こんなにかわいい生き物がいてもいいのか」と一瞬でメロメロになった。
「小さくて小枝みたいな手脚でミャーミャー鳴くので、か弱いのかと油断していたら、机の上から飛び降りるなどお転婆の片鱗を見せていました」
そこから夫妻はすさまじいスピードでちゃちゃちゃんを迎える準備をした。
「2週間以内に荷ほどきと猫用品の準備をしないといけなかったので、かなりハードでした。今思えば無茶苦茶です(笑)」
■一家団欒
ちゃちゃちゃんを家に連れてきてもらうと、全く物怖じしなかった。ケージに入れていたが、初日から「外に出せ」コール! 名前は、茶色だったので、茶色っぽい名前を100個ほど考えて決めたという。
ちゃちゃちゃんは、家族全員を自分の周りに集めて撫でてもらったり、ブラッシングして構ってもらったりするのがとにかく好きだ。家族が一人でも途中どこかに行こうとすると大声で鳴いて呼びつける。Kさん宅ではこれを「団欒」と呼んでいる。
好奇心旺盛で机の上や棚の上、時にはコンロの上にまで登って飼い主の注目を集めている。
「子猫のころ夫が猫流の叱り方(シャーシャー鳴いて怒る)をしてみたところ、しばらくは反省した様子だったのですが、徐々に怒りが盛り返してきたのか、数分後に油断した夫の脛を猫パンチしてから猛ダッシュでやり返しにきたことがあります(笑)」
夫妻は猫に関する話をすることが増え、「仕事をもっと頑張ろう!」という気持ちになったという。
(まいどなニュース特約・渡辺 陽)